【セントライト記念】イスラボニータ完勝!折り合い克服、菊で2冠へ

[ 2014年9月22日 05:30 ]

イスラボニータ(右)がトゥザワールドを抜き去りゴール

 クラシックホースが東西で貫禄Vを飾った。新潟競馬場での菊花賞トライアル「第68回セントライト記念」は皐月賞馬イスラボニータが危なげないレース運びで完勝。課題の折り合いもクリアし、レース後には菊花賞出走が決まった。

【レース結果】

 役者が違った。越後路でのトライアルはイスラボニータの独り舞台。3戦連続の対戦となったトゥザワールドを残り200メートルすぎで並ぶ間もなくかわし去ると、もう敵はいない。2着トゥザとの1馬身1/4差は皐月賞と同じ。舞台が変わっても強さは変わらなかった。一瞬で抜け出す自慢の末脚は健在。蛯名は「それがこの馬のいいところ」と目を細めた。

 快勝の先には淀の舞台がはっきりと見えてきた。オーナーの社台レースホース・吉田照哉代表は表彰式後に「菊にしました」と明言。これまでセントライト記念後のローテーションは天皇賞・秋との両にらみで未定だったが、菊花賞(10月26日、京都)に正式に決まった。蛯名は「決まったの?何も問題ない。(この世代で)一番強いと思っているので、それを証明しないとね」と表情を引き締めた。

 ポイントの折り合いをクリアしたことは菊花賞に向けても大きな収穫だ。序盤はハミを取って行きたがるそぶりも見せたが、そこはデビューからコンビを組み続ける人馬。鞍上がうまく我慢させると向正面ではトゥザワールドの後ろの6番手につけた。「4角さえうまく開けば勝てると思った」という鞍上の手応え通り、危なげなく抜け出した。栗田博師も「安心して見ていられた」と人馬への信頼を寄せた。

 2冠に挑んだダービーはワンアンドオンリーの2着に惜敗。“先行馬のアクシデント”で早めに先頭へ押し出されるなど、枠や展開に泣いた。「決して力負けではない」。蛯名は何度もそう繰り返してきた。それを証明する機会がやってくる。長距離戦での実績に乏しいフジキセキ産駒。それでも蛯名は「血統を超えるから面白いんだ。フジキセキ産駒で3000メートルを勝てるなんて凄いな、と言われるように頑張りたい」と不安よりも期待を口にする。

 セントライト記念の勝ち馬は84年の3冠馬シンボリルドルフを最後に菊花賞を勝っていない。だが、今年は例年の中山ではなく新潟に東西強豪が集っての一戦。壁は越えるためにあり歴史は塗り替えるためにある。非の打ちどころがないイスラボニータのこの日の走りは、その可能性を十二分に感じさせた。

 ◆イスラボニータ 父フジキセキ 母イスラコジーン(母の父コジーン)牡3歳 美浦・栗田博厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道浦河町社台コーポレーション白老ファーム 戦績8戦6勝 総獲得賞金3億7522万5000円。

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2014年9月22日のニュース