【新潟2歳S】3番人気ミュゼスルタン、レコードV!2歳王者名乗り

[ 2014年9月1日 05:30 ]

アヴニールマルシェ(左)を抑えて優勝したミュゼスルタン

 2歳王者へ真っしぐら。「第34回新潟2歳S」が8月31日、新潟競馬場で行われた。3番人気ミュゼスルタンが快勝。昨年Vのハープスターを1秒1上回る勝ちタイム1分33秒4は、従来の記録を0秒1更新するコースレコード。暮れの朝日杯FSに名乗りを上げるとともに、来春の主役候補に躍り出た。

【レース結果】

 着差はわずかでも、夢が広がる1勝だった。序盤は中団よりやや後ろに構えたミュゼスルタン。「無理に位置を取りにいったりせず、リズム良く走らせることだけを考えた結果が、あの位置になった」。柴田善がそう振り返ったように、最終コーナーを回り切るまで、馬群の内でパワーをため込んだ。

 直線に向くと、前方でひしめく馬群を避けるように、外へ外へと誘導。すぐ前のニシノラッシュを目標に追い出し、2頭で火の出るような叩き合い。残り100メートルで競り落とすと、今度は外からアヴニールマルシェが強襲したが、何とか鼻差でしのぎ、レコードタイムで勝利をもぎ取った。

 「田辺君の馬(ニシノラッシュ)には楽に勝てると思ったが、かわしてから馬が遊んでしまった。最後は内外離れていたからヒヤッとしたが、勝ててよかった」

 48歳の大ベテランは汗をぬぐいながら心地よさそうに振り返った。手に汗握るゴール前の攻防。大江原師は「久々に声が出た」と興奮気味。「体重が増えていた(8キロ)が、パドックでは凄く良く見えた。ゴチャついた馬群から抜け出してきたのは力がある証拠。一番強いと思っていた相手(アヴニール)に、負けなくてよかったよ」と笑みを浮かべた。

 「体形からマイルが合うと感じた」(大江原師)というスルタン。まずは次の目標に朝日杯FS(12月21日、阪神)を掲げた。無傷の2連勝で来春への展望も大きく開けた。指揮官は「クラシック?まだ何も決まっていない」とした上で「本質的には2000メートルまでかなとは思うが、3歳の春までなら距離は持つ可能性もあるから」と大舞台を視野に入れる。柴田善も「素質はあるのは間違いない。うまく育てていけば」と、さらなる飛躍を信じて疑わない。2歳王者へ、来春の主役へ。晩夏の越後路から再び大器が飛び立つ。

 ◆ミュゼスルタン 父キングカメハメハ 母アスクデピュティ(母の父フレンチデピュティ)牡2歳 美浦・大江原厩舎所属 馬主・高橋仁氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績2戦2勝 総獲得賞金3763万円。

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