【宝塚記念】ホッコーブレーヴ 遅咲きの6歳が虎視たんたん

[ 2014年6月25日 05:30 ]

遅咲きの6歳ホッコーブレーヴは自慢の末脚を武器にG1初勝利を狙う

 今週は上半期の総決算「第55回宝塚記念」。好調の実績馬が人気を集める中、虎視眈々(たんたん)と一発を狙っている馬がいる。まずは遅咲きの6歳馬ホッコーブレーヴ。キャリア24戦中13戦で上がり3F最速をマークしている末脚自慢は前走・天皇賞・春でも鋭く追い込んで3着。同じ天皇賞・春3着から97年宝塚記念を制した父マーベラスサンデーの再現ムードが漂っている。

【宝塚記念】

 もう本物だ。ホッコーブレーヴは5歳秋にようやくオープン入りを果たしたが、今年初戦の日経賞で2着に好走すると続く天皇賞・春も僅差の3着。キズナ(4着)と並ぶ上がり3F最速タイの34秒0の剛脚を駆使し、地力強化を強烈に印象づけた。「弱点がないね。前走より安心して送り出せる」。松永康師も目を細める。

 それだけ天皇賞・春で得た収穫は大きかった。以前は好走実績が左回りに集中。状態面には自信があったが、舞台に関しては半信半疑の面もあったという。「3200メートルの距離と京都の高速馬場。どうかなと思っていたが、あっさりクリアしてくれた。右回りでも切れるようになったのは成長だね」と師。愛馬への自信が確信に変わり「自在性があって、今はどのコースでもいい脚を使う。道悪も得意。オールマイティーだよ」。自然と強気な言葉が口を突く。

 臨戦過程もいたって順調だ。18日の1週前追い切りには初コンビとなる戸崎がまたがり、22日にはWコースで3F42秒5~1F13秒4。師は「先週は少し物足りなかったが、日曜は抜群の動き。全身を使って獲物を追うチーターのようだった」と満足げに話した。暑さに弱いタイプだけに気温が上がらない日が続いているのも好材料だ。火曜朝は間断なく雷が鳴る悪条件で驚く馬も目立ったが、落ち着いて坂路を1本。ハロン17秒台の安定したラップで駆け上がった。

 父マーベラスサンデーは97年に天皇賞・春3着から臨んだ宝塚記念でG1初制覇。くしくも父と同じ臨戦過程で挑むのも因縁めいたものを感じさせる。有力馬の1頭である同期のウインバリアシオンには2戦続けて後れを取ったが、着差は0秒3→同タイム。はるか先を行っていた同期を完全に射程圏に捉えた遅咲きのブレーヴが、虎視眈々と大きな獲物を狙っている。

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2014年6月25日のニュース