【安田記念】ホエールキャプチャ 馬なり12秒1、2馬身突き放す

[ 2014年6月5日 05:30 ]

蛯名を背に坂路で追い切るホエールキャプチャ

 【G1ドキュメント=4日】白鯨(ホエールキャプチャ)とプリントされたジャンパーを着込んだ蛯名が満足顔で坂路から引き揚げてくる。「前回(ヴィクトリアマイル4着)の時よりもいいね。(手綱を)ラスト緩めただけで反応した」と手応えの良さを口にした。

 坂路でブランクヴァース(5歳1000万)との併せ馬。胸ビレを使って空中に身を躍らせる白鯨のように、白さを増した芦毛が躍動する。3馬身後方から徐々に差を詰めると、馬なりのまま2馬身突き放した。ラスト1Fはこの日の最速タイとなる12秒1。「追ったら11秒台だった。併せた相手とは脚色が違っていたから」と蛯名は続けた。

 ターフの白鯨にはストップウオッチが内蔵されているのだろうか。ヴィクトリアマイルでは12年(1着)、13年(2着)と同じ1分32秒4の走破タイム。同一レースで3年連続コンマ1秒の狂いもない時計をマークするなど、ベテラン記者・梅崎の分厚い競馬手帳にも記載がない前代未聞のケースだ。田中清師は「持ち時計だけは走っている。今年は着順を落とした(4着)が、上位3頭が(馬場の良い)内を通ったのに対してこちらは外め。その分の差だろう」と語る。年を2つ重ねて白さを増しても、競走能力に陰りがないのは走破タイムから明らかだ。

 22回目の騎乗に悲願を懸けたダービー(イスラボニータ2着)では外枠の不運に泣かされた蛯名。「運の良いときもあれば悪いときもあるのが競馬。自分はやるべき事をやるだけだ」と言う。禍福はあざなえる縄のごとし。白鯨のジャンパー姿で気持ちを切り替えて臨むG1だ。

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2014年6月5日のニュース