【天皇賞・秋】フェノーメノまた2着…蛯名「悔しい」

[ 2012年10月29日 06:00 ]

<天皇賞・秋>引き揚げるフェノーメノと蛯名騎手

 フェノーメノとともに脱鞍所に引き揚げてきた蛯名の顔が紅潮している。「悔しい。どうしてあんな所が空くのかなあ」と怒りをかみ殺すようにつぶやいた。出迎えた戸田師も「勝ち馬にガラ空きになった内から出し抜けをくらった。展開のアヤとしか言いようがない」と唇をかみしめた。

 古馬を押しのけて単勝3・4倍の1番人気。道中、4番手で折り合い、直線で外に持ち出す正攻法のレース運びで先行勢をねじ伏せた。だが、エイシンフラッシュだけが内ラチ沿いにぽっかり空いたビクトリーロードを突いて抜け出してきた。懸命に差を詰めるが、半馬身届かない。鼻差及ばなかったダービーに続き、G1・2着惜敗を喫した。

 「ソツなく乗れたし、レースは完璧だったと思う。古馬のトップクラスと互角以上にやれることも分かった。ただ、運だけがなかった」と蛯名は振り返る。「横綱相撲の強い競馬をしても負ける。それが競馬なのかもしれないが、みんなが(最内を空けない)厳しい競馬をしてくれれば…。外より内のほうが伸びる馬場じゃなかったら…」と戸田師も悔やみきれない思いを口にした。

 菊花賞か天皇賞・秋か。始動戦・セントライト記念快勝後、迷い抜いた末に盾取りに照準を定めた。馬体重2キロ減の完璧な仕上がり、非の打ちどころがないレース運び。それでも、勝利の女神はほほ笑まなかった。「馬が傷んでなければジャパンCへ行きます」(同師)。展開のアヤに敗れた3歳最強馬は世界の強豪相手に無冠返上を期す。

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2012年10月29日のニュース