【天皇賞・秋】フラッシュ天覧V!インから最速33秒1

[ 2012年10月29日 06:00 ]

<天皇賞・秋>エイシンフラッシュで天皇賞・秋を制したMデムーロは、スタンドの天皇、皇后両陛下にひざまずいて最敬礼

 天覧競馬でダービー馬が復活!!天皇、皇后両陛下が観戦された「第146回天皇賞・秋」が28日、東京競馬場で行われた。ミルコ・デムーロ騎手(33=イタリア)との新コンビで挑んだ5番人気エイシンフラッシュが最内を突いて一気の末脚でVをもぎ取った。10年ダービーに優勝して以降は12連敗中だったが、同じ東京の舞台で約2年5カ月の長いトンネルから抜け出し、輝きを取り戻した。

【レース結果】

 場内が「ミルコ・コール」に包まれる中、勝利に導いたMデムーロはスタンド前でエイシンフラッシュを静止させ、馬上から下りた。ヘルメットを取ると右膝を地面につけ、左手を胸に当ててスタンドから観戦した天皇、皇后両陛下に深々と頭を下げた。「特別な日に勝てて良かった。夢のようだ」。日本でなじみのイタリアンはしみじみと喜びをかみしめた。

 フラッシュにとって10年ダービーV以来、2年5カ月ぶりの勝利。レースはスタートを決めると中団で折り合った。残り1000メートルで内ラチ沿いへ。直線は逃げたシルポートのさらに内を突き、真一文字に伸びてきた。上がり3Fは最速タイの33秒1。2年前のダービーで自身がマークした32秒7に次ぐ切れ味だった。

 「じっと我慢してたら、内がぽっかり空いてくれた。最後の直線は凄い反応だった」

 これまでの苦戦がうそのような快勝劇。陣営は復活に向けて、やれることは全てやった。昨年(6着)は宝塚記念3着からぶっつけで挑んだが、今年は毎日王冠(9着)を叩いた。藤原英師は「今回は1度使って、ピークの状態だと確信があった。8キロ減の馬体も予定通りの絞り方だった。装鞍所で見た時に、完璧だと思った」と振り返る。

 初騎乗の鞍上とも綿密に打ち合わせてきた。2週連続でMデムーロが追い切りに騎乗。指揮官は「世界の名手だし、追い切りに2、3回乗って確かめてもらえば対応してくれるから」と説明。さらに「幸いにもミルコは日本語が分かるし2週間前から、話し合ってきた。きょうはパーフェクトに乗ってくれた」と満足感たっぷりの笑顔を見せた。

 この後はJC(11月25日、東京)→有馬記念(12月23日、中山)と古馬王道路線を歩む予定。現役最強馬オルフェーヴル、3冠牝馬ジェンティルドンナとの対戦も控える。次走のJCはMデムーロの短期免許期間が11月18日までしかないため、ルメールに乗り代わる見込み。名コンビの継続が見られないのは残念だが、復活を遂げたフラッシュなら、その輝きを放つ走りを見せ続けてくれるに違いない。

 ◆エイシンフラッシュ 父キングズベスト 母ムーンレディ(母の父プラティニ)牡5歳 栗東・藤原英厩舎所属 馬主・平井豊光氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績20戦5勝(うち海外1戦0勝) 獲得賞金6億3209万8900円(うち海外1548万8900円)。

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2012年10月29日のニュース