【マイルCS】マイルの神様!アポロン様!池添様!

[ 2011年11月21日 06:00 ]

<マイルCS>他馬を振り切りマイルCSを制したエイシンアポロン(右)

 新王者誕生だ!大混戦の秋のマイル王決定戦「第28回マイルCS」は5番人気エイシンアポロンが好位から抜け出して快勝。手綱を取った池添謙一騎手(32)は今年G1・5勝目。その手腕がさえわたっている。松永昌博師(57)は騎手デビューから数えて35年目で念願のG1初勝利。1番人気リアルインパクトは5着に終わった。

 絶好調男が戴冠へと導いた。好位の内ラチ沿いを追走したエイシンアポロンは抜群の手応えで直線へ。池添が選んだビクトリーロードはインだった。

 「きのうも、きょうも内が伸びていた。外に出すことは考えていなかった」

 緩い馬場を問題にせず、グイグイ伸びて一直線にゴールへ。だが内からフィフスペトルが食い下がる。「先頭に立って止まりかけた」と振り返ったように、ここが一番苦しいシーン。馬体が並んだところでアポロンはグッとハミを取り、息を吹き返した。「何とか頑張ってくれ!」。鞍上の思いに応えて首差で競り勝った。ゴール後に左手で派手なガッツポーズ、喜びを爆発させた池添は「アポロンが初めてG1タイトルを獲れてうれしい。最初は騎乗の予定はなかったけど、結果を出せて良かった」と興奮気味に話した。

 当初騎乗予定だった田辺が先週騎乗停止に。急きょ“代打”の形で依頼が舞い込んできた。そこで結果を出せるのが今の池添だ。「僕が乗った朝日杯FSの時は2着で悔しい思いをしたので」とあと一歩で届かなかったタイトルをパートナーにもたらした。これで今年G1・5勝。オルフェーヴルでの3冠をはじめ、目覚ましい活躍だ。「いい馬に乗せてもらっているし、もっと勝たないと」と貪欲に語る姿勢が、今の勢いを物語っている。

 騎手時代も含め、G1初勝利となった松永昌師は「レースに関して特に指示はしなかった」と振り返る。「プラス6キロは休むことなく乗り込んでのものだから」と自信を持って送り出した。昨年の天皇賞・秋17着。レース中の不利で筋肉痛を発症したが、じっくり約11カ月も休ませたことで本来の力がよみがえった。前走・富士Sに続く連勝は本格化と呼ぶにふさわしい。

 今後は近日中に栄進牧場へ放牧に出され、しばらく休養する予定。4歳秋に栄光をつかんだアポロンが、5歳を迎える来年、どこまで強くなるか。長く主役不在だったマイル戦線で絶対王者として君臨する。

 ◆エイシンアポロン 父ジャイアンツコーズウェイ 母シルクアンドスカーレット(母の父サドラーズウェルズ) 牡4歳 栗東・松永昌厩舎 馬主・平井豊光氏 生産者・米国シルクアンドスカーレットシンジケート 戦績14戦4勝 総獲得賞金2億8919万6000円。

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