【ヴィクトリアM】カワカミ仕上がり抜群馬体もキラッ

[ 2009年5月14日 06:00 ]

DWコースで軽快な動きを見せたカワカミプリンセス

 2冠牝馬のプライドがのぞいた。DWコース単走で追い切ったカワカミプリンセス。序盤はスムーズに折り合う。しかし、4コーナー付近で、遅めキャンターの他馬が視界に入り“私の前は走らせない”とばかりに闘志を見せたという。ちょっと、てこずらされた柳田助手が苦笑いする。

 「前に馬を見つけるとムキになる。その後、またいい感じで走っていたけど。気の強さは変わらないよ」
 すでに6歳の春だが、円熟という表現は似合わない。気温の上昇とともに冬毛が抜け、輝きを増した馬体は見とれてしまうほど若々しさに満ちている。
 未明まで降り続いた雨の影響で馬場がぬかるみ、この日の稽古はあまり見栄えしなかった。6F86秒3~ラスト12秒4とタイムも地味かもしれないが、出来は抜群だ。西浦師は自信を持って語る。
 「先週までに、ある程度できている。今週は調整段階でオーバーワークにならないようにした。ぬかるんだ馬場を気にして時計はかかったけど、動きはいい。今年一番の仕上がり」
 デビューから秋華賞まで無傷の5連勝を飾ったが、古馬になると白星から遠ざかった。このままでは終われない。
 「何とか、もう一度(表彰式の)口取りをさせて牧場へ返したい」
 今季、このレースに照準を合わせてローテーションを組み立て、厩舎に置いて調整を続けた。
 「ずっと手元に置いて見てきたから馬の状態はよく分かっている。ここでピークになるように調整してきた。レースが楽しみ」
 “府中の申し子”と言われるウオッカに、昨年の最優秀3歳牝馬リトルアマポーラなどライバルは強力。それでも女王復権へ、陣営が一致団結。熱い気持ちで臨んでいる。

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2009年5月14日のニュース