このままなら悲しい「日本最大の国際競走」

[ 2008年12月3日 06:00 ]

 【書く論 走論=小田 哲也】

 先週の11月28日。新潟県上越市で行った「ジャパンC大予想会」に多数のご来場、ありがとうございました。同じ新潟といっても「新潟競馬場までは車で行っても2時間。生で見る機会はそうなくて…」といった土地柄。人が集まるのかな!?の不安とは裏腹。満員盛況。しかも、みんな本当に熱い。で、質問の嵐。

 Q スクリーンヒーローはどうでしょう?
 A 近い将来、必ずGIでも好走しますが、今回ばかりはどうでしょう。
 申し訳ない。僕が邪魔しなければ的中したはず…。ただ、次の質問にはズバリ正解を放ったつもり。
 Q 外国馬で注意する馬はいますか?
 A いません。特にマーシュサイドが3着以内に来るようなら競馬記者をやめます!!丸2日間、熱を出して体調も最悪なので。

 ご存じの通り、翌29日朝、感冒で出走取り消し。JRAの発表を聞いた時は正直ホッとしたものだ。ただ、外国馬が見せ場なく終わったのには閉口した。最先着9着(パープルムーン)はJC史上最低。アルカセットが優勝した05年(6頭)以降、06年が2頭、07年が4頭と外国馬が集まらないのは国際競走として寂しい。もちろん、1日のうちに国際GIを4競走行う「香港国際競走」(今年は12月14日実施)の隆盛が“逆風”なのは分かっている。
 折しも数日前、グリーンチャンネルで「ジャパンC誕生」のドキュメントを放映していた。何度も暗礁に乗り上げ、計画自体が立ち消え寸前だったという。「1日1レース限りの招待競走に多くの外国馬を集めることは難しい。でも、強い馬づくりのためには国際レース誕生は不可欠」。JRA関係者の強い信念で開催にこぎつけた81年の第1回。無事、7頭の外国馬が完走した。レース当日朝、メアジードーツの馬主が「芝が硬過ぎる。水をまかなければ出走を取り消す」とホテルからクレームを入れたのは今も語り草だ。
 今は冬でも芝は青々と茂り、JRA施設もずっと良くなった。2年後、平地全重賞が国際競走になる。その時にはJCは外国馬大挙参戦の可能性もあり、悲観的になるつもりはない。ただ、今の状況が続けば、日本最大の国際競走が悲しい。総額12億円と銘打ち、今秋始まった「ジャパン・オータムインターナショナル」もJCダートで最後。エ女王杯→マイルCS→JCと外国馬があまりに目立たなかっただけに、日本に来てくれたJCダートの3頭には頑張って欲しいと思う。(小田 哲也)

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2008年12月3日のニュース