2008年新種牡馬(3)

[ 2008年7月29日 06:00 ]

 【藤井正弘の血統トピック】

 ▼シルバーチャーム 1994年生 芦毛・米国産 父シルヴァーバック 母ボニーズポーカー(母の父ポーカー)北米・UAE24戦12勝 主な勝ち鞍はケンタッキーダービー、プリークネスS、ドバイワールドC 2歳産駒69頭。
 97年度の米3歳牡馬チャンピオン。ケンタッキーダービー、プリークネスSを制し、3冠の懸かったベルモントSは2着に惜敗したが、4歳時のドバイワールドCで世界の頂点に立った。完全なアウトサイダー血統で、芦毛に時折見られる突然変異型の大物。雑草ファイターらしいガッツが売り物だった。米国版オグリキャップのイメージだ。米国での5世代からはG2勝ち馬が2頭出ているが、種牡馬として成功したとは言い難い。タフな体質を武器に古馬戦線で叩き上げてくる産駒が主流だろう。
 ▼プリサイスエンド 1997年生 黒鹿毛・米国産 父エンドスウィープ 母プリサイスリー(母の父サミング)北米9戦4勝 主な勝ち鞍はベイショアS 2歳産駒77頭。
 早世したエンドスウィープの在米時の産駒で、貴重な血脈を買われて母国で種牡馬となり、4年間の供用の後、日本にトレードされた。父系の個性を忠実に継承しており、産駒は仕上がりが早く、スピードに富む。芝、ダートを問わないのも、この血脈の特質。2歳戦に芝の番組が多い日本では、まさに水を得た魚のごとく、活躍も期待できる。基本的にマイル以下の距離が守備範囲だが、配合次第では中距離をカバーする馬も出るだろう。アベレージで勝負するタイプの種牡馬だ。(サラブレッド血統センター)

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2008年7月29日のニュース