タケミカヅチ会心追い込み届かず/皐月賞

[ 2008年4月21日 06:00 ]

必死に追い上げるタケミカヅチ

 し烈な2着争いを制し、3連単8万馬券を演出したのは6番人気タケミカヅチだった。道中は1枠1番を生かし、中団のインで待機。マイネルチャールズを前に見ながら脚をためた。3コーナー過ぎから徐々に馬群の真ん中へとポジションを移し、馬群の後ろでチャンスを待つ。直線半ば、インが空いたのを逃さずに突き、レッツゴーキリシマをかわして2着浮上。キャプテントゥーレには届かなかったが、大混戦の中、チャールズを鼻差抑えて銀メダルをもぎ取った。

 「いつになくスッキリしていた(前走比6キロ減)。落ち着いていたが、その中でわずかながら気合が入っている感じだった」と柴田善は心身のバランスがしっかりとれていたことを強調した。「道中も折り合っていい感じだった。もう少し(速めに)流れてほしかったが…まあしようがない。よく走っているよ」。決め手に自信をもつタイプだけに、このスローペースは痛かった。言い換えれば、この流れの中でマイネルチャールズ、ブラックシェルに先着したことは大きな自信になる。
 「悔しいが、仕方ない。完敗だ」。大江原師はサバサバとした表情で振り返った。またも白星に届かず3度目の重賞2着。まさに“最強の1勝馬”だ。「勝ちたいね」。同師は唇をかんで振り絞った。
 だが、その走りはG1へと手が届くレベルに達しつつある。「手前の替え方が本当に上手になった。直線で馬群を縫ってきたあたりも見事。どんどん良くなっている」。大江原師は着実に進化していく秘蔵っ子を称えた。今後は今週中に放牧に出され、ダービーへ直行する。「キャプテントゥーレにはデイリー杯2歳S、皐月賞と2度負けてしまった。ダービーで逆転しよう。いや、きっと逆転してくれる」。同師は力強く大舞台での逆襲を誓った。

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2008年4月21日のニュース