田中“涙”の初G1/競艇名人戦

[ 2008年4月21日 06:00 ]

第9回競艇名人戦で初優勝し喜ぶ田中伸二(中央)

 宮島競艇場のG1「第9回競艇名人戦」は20日、激戦を勝ち抜いた6人によって最終12Rで優勝戦が争われた。レースは1枠で圧倒的な1番人気に支持された田中伸二がイン確保からこん身の先マイを果たし、そのまま逃げ切って先頭ゴール。1着賞金750万円を手にするとともに、初の“名人位”を地元水面で獲得した。なお、田中のG1優勝は3回目の優出で初めて。

 “名人”の称号を手に入れても、田中は「G1を獲れる技量があるとは思っていない。名人じゃないよ。エンジンのおかげでたまたま勝てただけ」と普段通りのひょうひょうとした態度を崩さなかった。
 とはいえ、勝利者インタビューでは「涙が出るほどうれしい」と素直に喜びを表した。レース前も「自分の中ではプレッシャーがあったけど、いい意味でのものにしようと思っていた」と気持ちのコントロールはしっかりできていた。
 スタートはコンマ11と決して遅いタイミングではなかったが「村上選手が前にいて、やっぱり失敗したかな?と思ったけど、1Mまでに絞ってくれたのが良かったのだと思う」と自慢の伸び足で主導権を握ることに成功。あとは「エンジンがいいし、道中も余裕があった。2Mを回った時点で勝利を確信した」と周回を重ねるだけだった。
 名人戦は今回で3回目の挑戦。過去2回は予選敗退と実績は目立たなかった。G1優出も88年2月の宮島中国地区選(6着)、97年10月の多摩川43周年記念(4着)のわずか2回にすぎない。それでも地元の宮島でG1を勝てたことは、今後への自信につながるに違いない。
 表彰式ではサプライズゲストとして、現在F休み中で地元広島の後輩・海野ゆかりが登場。「優勝すると思ってきょうは早くから駆けつけていました」と花束を渡された田中は「ジーンときたね」と最後にようやく少しだけ表情を崩した。
 ▼田中 伸二(たなか・しんじ)1957年(昭32)5月13日、広島県生まれの50歳。78年3月20日登録の42期生。同期は村上信二、荘林幸輝、足立保孝、久間繁、吉田稔ら。94年3月の平和島総理大臣杯でSG初出場。通算優勝は43回。1メートル61、54キロ。血液型O。
 【優勝戦VTR】進入はS展示、本番ともに123・456。2コースの村上が先手を奪いかけたものの、インから伸び返した田中が逃げ切って優勝。1M全速ターンの尾崎は2Mで若女井と村上を差して2着。若女井は終始全速で尾崎を猛追も3着まで。

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2008年4月21日のニュース