伊藤沙莉 次期朝ドラ「虎に翼」主演 兄のオズワルド伊藤が出演したら「先輩ヅラします(笑)」

[ 2024年3月6日 12:00 ]

写真撮影に応じる伊藤沙莉(スタイリスト・吉田あかね、ヘアメイク・岡澤愛子)(C)NHK
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】4月1日にスタートする次期NHK連続テレビ小説「虎に翼」に主演する俳優の伊藤沙莉(29)が東京・渋谷の同局でメディア各社の取材に応じた。

 ──撮影開始から半年以上たちました。今の心境をお聞かせください。
 「基本的にとても楽しい日々を送らせてもらっています。撮影が始まる前、いろんな人に『大変だよ』と言われましたが、大変さより楽しさが勝っています。みんなで考えてみんなで作る時間を過ごしていて、有意義で充実した日々です。支えてくれる人がたくさんいて、絆も深まっています」

 ──演じている主人公の猪爪寅子はどんな人物ですか?
 「本当に人間らしい人でありながら動物的な人です(笑)。とても素直な人だと思いますし、タイトルが『虎に翼』であるように自分にいちばんふさわしい場所として法律の世界に飛びこんだ人だと思います。寅子は身のまわりに何か変化が起きると興味や疑問からスタートします。その感覚がないと法律の道には進まなかったと思います。突拍子もない発言をしたりもしますが、私自身も普段思ったことをすぐに口にしてしまって母に『一言多い』と怒られるタイプなので、面白く演じさせてもらっています」

 ──クランクイン前に勉強したこと、準備したことはありますか?
 「たくさんの本と資料を頂いて読みました。それから、明治大学で法律の講義を4回受けさせてもらいました。私は大学に行ったことがないので、まず大学の雰囲気が楽しかったです(笑)。このドラマで描かれる時代には寅子が疑問に思うような法律が当たり前のように存在していました。私自身も疑問に思いましたし、そのような法律の背景を学ぶことができたので、とても参考になって、ありがたい時間でした」

 ──撮影中、朝ドラ初出演だった「ひよっこ」(2017年)の時との違いを感じることはありますか?
 「『ひよっこ』の時は撮影が多くても週1回で、お芝居は基本的にワンシチュエーションでした。今回は毎日撮影ですし、一つのシーンをどうするかということより、他のシーンとの関連性の中でこのシーンをどうすべきかということを考えています。物語の流れ通りにシーンを順番に撮影していくわけではないので、後でシーンをつなげた時にぐちゃぐちゃに見えないようにお芝居をしないといけない。伏線を後に回収することも意識しないといけない。そんなふうに思考を働かせることは初めての経験ですし、責任も感じています」

 ──猪爪家に下宿している書生・優三役の仲野太賀さんとはドラマ「拾われた男 LOST MAN FOUND」(2022年)以来の共演です。仲野さんとの芝居はいかがですか?
 「太賀さんは本当に頼りになる方です。演技で迷った時、同じ現場に太賀さんがいれば、相談するとだいたい解決してくれます。その心強さがあります。太賀さんのお芝居を間近で受けると、もらうものも多いです。私が自由に動いてもそれに乗ってくれて、展開させていくことができます。太賀さんとだから出せる空気感があります。優三さんが太賀さんで本当に良かったと思います」

 ──過去の朝ドラにはお笑い界の方々も数多く出演しています。もしも、お兄さん(お笑いコンビ「オズワルド」伊藤俊介)がこの作品に出演することになったら座長としてどうしますか?
 「先輩ヅラをしようと思います(笑)。もし、出るとしたら、あまり重要人物にはなってほしくない。通り過ぎていく人がいいです。彼は普段『同じボケを何回もやるのは恥ずかしい』と言っているので、ぜひ現場で同じアドリブを何回もやってほしいと思います(笑)」

 ──既に撮影は半年続いています。ご自身に変化はありますか?
 「毎日長時間、人やカメラに見られているので、いつも体に緊張感があります。でも、とにかく生活は規則正しいです。好きなお酒を飲むことはあっても深酒はしません。元々ショートスリーパーで3時間睡眠で平気だったのですが、今はしっかり眠ってしまいます。だから体の調子がいい。健康的になっていると思います」

 ──俳優人生の中でこの作品はどんな位置を占めると思いますか?
 「確実に代表作になると思います。以前、自分の人生を映画化する上で絶対に欠かせないシーンを自分で演じてみるというワークショップを体験したことがあるのですが、今は私の人生を描く上で絶対に外しちゃいけない期間だと思います。撮影が始まってから、周りの人たちとの関わり方が変わったり、いろんなことを学んだりして人間的に成長している気がします。5月には30歳になります。この先たくさんの作品に出させてもらうにしても、この作品が生涯の中で最も大事なものになると思います」 

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部専門委員。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。

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