紀藤正樹弁護士 劇団員急死の宝塚歌劇団に「遺族感情に寄り添うよりも合意を優先しようとする不誠実さが」

[ 2024年3月1日 12:05 ]

紀藤正樹弁護士
Photo By スポニチ

 弁護士・紀藤正樹氏(63)が1日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。宝塚歌劇団の女性劇団員が昨年9月に急死した問題について言及した。

 遺族代理人の川人博弁護士らは2月27日、東京都内で記者会見し、遺族側が15件あったと訴えている上級生らのパワーハラスメント行為について、歌劇団側が約半数を認めたと明らかにした。残りは一部否認か完全否認という。多くの点で双方の主張に隔たりがあり、解決へ向けた合意には至っていないとしている。

 遺族側は、女性が上級生からヘアアイロンで額にやけどを負わされるなどの被害を受けたと指摘。過重業務を課され、亡くなる直前には上級生に呼び出され、未明近くまで怒声を浴びたと主張している。川人弁護士によると、歌劇団側は1月下旬の回答書で、歌劇団幹部や上級生による多くのハラスメント行為があったと認めた。ただ、15件のうち約半数をパワハラと認める一方、ヘアアイロンの件などは否認した。また双方の主張が出そろい、合意が締結された場合に、歌劇団側が「謝罪内容は公表せず合意していない点のみ公表」という条件が提示されたという。

 歌劇団に所属する女性の妹は川人弁護士を通じ「第三者の証言を無視するのは納得いかない。これ以上姉と遺族を苦しめないで」などとするコメントを発表した。歌劇団は「経過報告についてコメントは差し控えますが、合意書の締結に向けて引き続き協議してまいります」との文書を出した。

 歌劇団側は、昨年11月に公表した調査報告書で長時間の活動などによる強い心理的負荷を認めた一方、いじめやハラスメントは「確認できなかった」と認めていなかった。報告書公表時の会見では、村上浩爾理事長(当時は専務理事)が「(いじめがあったと言うなら)証拠を見せていただきたい」と発言。SNSなどネット上で非難されていた。歌劇団はその後、パワハラを否定する調査報告書を公式サイトから削除した。

 紀藤氏は「不誠実な対応に驚く 宝塚歌劇団側は『交渉による合意が成立した場合』にパワハラを認めて謝罪するとした これはおかしい 歌劇団側の姿勢には遺族の感情に寄り添うよりもまずは合意を優先しようとする不誠実さがみられないか」と自身の考えをつづった。

続きを表示

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2024年3月1日のニュース