山田真歩 「どうする家康」秀吉の妹役 役作りのイメージは「健気なタヌキ」

[ 2023年8月31日 09:00 ]

大河ドラマ「どうする家康」で旭を演じる山田真歩(C)NHK
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】NHK大河ドラマ「どうする家康」で、秀吉の妹・旭を演じる俳優の山田真歩(41)がインタビューに応じ、役作りや初大河の現場での思いなどを明かした。

 ──最初に台本を読んだ時の感想をお聞かせください。
 「どうしよう…大変な役が来ちゃったと思いました」

 ──難しい役ですか?
 「難しいと思いました。旭姫は最初、兄の秀吉にとっては役立たずで、今だったら『生産性がない』と無視されるような立場の女性として描かれています。でも、生産性や容姿ではないところに彼女の魅力があるはずで、魅力的に描けるかどうかは私にかかっている。責任重大で、人生をかけて臨むべき役だと思いました」

 ──旭という人物を知っていましたか?
 「高校の時、私は世界史を選択したので日本史に疎いところがあって、旭姫のことは知りませんでした。文献がほとんど残っていなくて、実際にどういう人だったのかは想像するしかありませんでした」

  ──演出の人とはどんな話し合いをしましたか?
 「演出は女性の小野見知さんでした。小野さんとの最初の話し合いで、これまで旭姫という役は、農民の出で不細工というイメージの描き方をされてきたけれど、そういうことよりも、兄の出世欲に巻き込まれていく中で、彼女がどんな健気な戦い方をしたのかという部分を描きたい、と言われました。私も、その時代に命をかけて戦っていたのは男性だけじゃなく女性も武力以外での戦いをしていたはずだと思っていましたので、思いが一致しました。小野さんを信頼して初日から思い切り演じることができました」

 ──ムロツヨシさんが演じる秀吉の妹ということは意識しましたか?
 「それは意識しました。これまでの回を見て、ムロさんの笑い方やちょっと野良犬っぽい感じ、太陽の下で走り回って日焼けして育った感じ、土を触って育った感じを出せるといいなと思いました」

 ──どのように出そうと思いましたか?
 「あの時代の姫は普段、周りの人たちにいろいろやってもらっているから本来は動きが少ないと思うんです。でも、旭姫の場合、自分の気持ちが行動に直結していて自由に動くのではないかと思いました。あと、ちょっと動物のにおいがするというか、『健気なタヌキ』という言葉が頭に浮かびました。衣装合わせの時、人物デザイン監修の柘植伊佐夫さんの旭姫のイメージ絵を見せてもらって、それにもとても想像力をかき立てられました」

 ──健気なタヌキ!?
 「キツネじゃなくタヌキというところがミソです。健気なタヌキだったら、どんなふう相手を見るかな…とか考えたり。何かイメージがわくと演じるのが楽しくなります。子供のママゴトと同じで、なりきって遊んでいるという感じですね。小学生の時もそうやって遊んでいて、父に『毎日学芸会だったらいいな』と言って『芸能界は大変だからやめなさい』と言われたことがあります」

 ──初めて大河の現場に入った印象はどうでしたか?
 「様々な場所から才能豊かな人たちが集まって来ているのだと感じました。初日は、それこそ大きな河に飛びこむような緊張感がありました。普段はそういうことはほぼないのですが、今回は最初のシーンで緊張し過ぎてセリフが飛びました」

 ──敵陣に嫁ぐ旭姫の心境ですか?
 「まさに、ドキュメンタリーかな?と思うくらい旭姫のアウェイ感を感じました。でも、初日が終わって、2日目、3日目と進んでいくうちに、スタッフの方々や共演者の方々がニコニコと接してくれて、私の全ての収録が終わった時にはみんなが名残惜しそうに送ってくださったので、ちょっとはお役に立てたのかな、と思ってうれしくなりました」

 ──これから見てくれる方々へのメッセージをお願いします。
 「旭姫が愛されたらいいな、と思います。歴史の中で強者たちの陰にいる人たちにも、ちゃんと人生があったということが伝わればうれしいです」

 9月3日放送の初登場への期待が高まる。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

続きを表示

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2023年8月31日のニュース