島田秀平 怪談界最高峰での歩み 「未来につながるように」

[ 2023年7月12日 08:00 ]

怪談界随一の怖がりの島田秀平
Photo By スポニチ

 【牧 元一の孤人焦点】タレントの島田秀平(45)が今、怪談界最高峰での歩みを続けている。2019年に開設したYouTubeチャンネル「島田秀平のお怪談巡り」の登録者数は現在、約62万人。新進の怪談師たちがこぞって出演を望む媒体へと発展した。

 島田は「最近はうれしいことに新人の方に『ここに出るのが夢だったんです』と言ってもらえます。でも、そう思ってもらえるチャンネルであり続けようと考えると結構プレッシャーを感じます。トップランナーでいないといけないと思っています」と胸の内を明かす。

 チャンネルでは連日、新たな動画を配信。テレビやラジオでの活動がある中での製作だけに苦労も多いとみられる。

 「月に3回か4回、収録日があって、1日に15本録る日もあります。それができるのは、スタッフさんに熱意があり、僕自身が怪談好きだからです。怪談をいっぱい持っている方、話が上手な方はこの業界にたくさんいますが、その中で僕がいちばん怖がりだという自信があります」

 チャンネルは怪談を語るゲストによって支えられている。その顔ぶれはベテランや若手、普段は怪談に縁のない芸能人など多彩だ。

 「ゲストには三つの柱があります。一つは怪談界で実力のある方、もう一つはこれから活躍していく方。三つ目が結構大事で、怪談のイメージがない方。今までに例えばEXILEのNAOTOさんや、はいだしょうこさん、伊藤かずえといった方々に出てもらっています。霊感があるかないか、怪談が好きか嫌いかは別にして、誰もが不思議な話を一つか二つは持っています。世の中には凄い話がたくさん埋もれているので、それを世に出したいという思いがあります」

 チャンネルを見ていると、島田の聞き上手ぶり、リアクションの面白さ、怪談の総括の巧みさを感じる。

 「スタッフさんとよく『Win Win Win Winになるようにやりましょう』と話しています。一つ目のWinは自分です。みなさんに見ていただくと売り上げが上がります。二つ目のWinは出ていただいた方です。ギャラをお支払いして、その方の名前や情報、魅力を広げるようにしています。三つ目のWinは見ていただいている方です。多くの方に毎日の配信を楽しんでいただきたいです。最後のWinは未来です。新人の方がこのチャンネルに出て人気を得て生活ができるようになることで、将来もっとみなさんが面白い怪談を聞けるようにしたいです。怪談は本来、話自体が主人公ですが、このチャンネルは話す人が主人公です。だから、その人の魅力、人間味がみなさんに伝われるようにしたいと考えています。このチャンネルが怪談界の未来につながるようにしたいです」

 このチャンネルは怪談にもかかわらず、笑いの要素が多分に含まれているところも特徴だ。

 「賛否両論あると思いますが、笑いに走るのは、僕が怖がりだからです。僕自身が怖い話に耐えきれなくなって、つい笑いを求めてしまうんです。ただ、怪談は振り幅はあった方がいいとも思っています。ずっと怖い話が続くより、途中でほっとする場面があった方が、落差が出て怪談がより怖くなります」

 新たに修学旅行の設定の企画もスタート。複数のゲストとパジャマ姿になって布団の上で怪談を語る試みだ。

 「スタッフさんから上がってきたアイデアで、面白いと思いました。YouTubeは見ている人との距離が近くて街で声をかけられることも多いんです。夜に一人で怪談を聞く時、修学旅行に一緒に参加している感覚を味わってもらいたいと思います」

 怪談・オカルト人気は高まり、今夏はイベントも多い。8月19日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで開催される「怪談五人羽織~鬼コワ怪談LIVE2023大阪夏の陣~」、9月10日に神奈川・綾瀬市オーエンス文化会館で行われる「オカルト会議inAYASE」に出演する。島田の話術を生で堪能できる貴重な機会だ。

 「怪談五人羽織は僕と都市ボーイズ、夜馬裕、吉田悠軌の計5人で、自信を持って怪談をお届けできるメンバーがそろいました。配信がなく、いい意味でストッパーが外れるので、いつも以上にヤバい話を用意しています。オカルト会議は『月刊ムー』の三上丈晴編集長との共演です。YouTubeには出せないとんでもない話になると思います」

 その胸には将来的な「お怪談巡り」初イベント構想も秘められている。

 「『お怪談祭り』を日本武道館でやってみたいんです。ただのトークライブではなく、出演者の登場から凝ったエンターテインメントのショーにしたいと思っています。魅力的な怪談師の方々にお声がけしようと考えていますが、その時は御大の稲川淳二さんにも来ていただけるとうれしいです」

 怪談界最高峰の高度はこれからさらに上がっていく。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

続きを表示

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2023年7月12日のニュース