小林稔侍と手塚治東映元社長の、ちょっといい話

[ 2023年7月6日 20:00 ]

小林稔侍と東映元社長の手塚治氏の2ショット
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 【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】2月11日に肺動脈血栓のため永眠した東映元社長の手塚治氏(享年62)のお別れの会が5日、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルで営まれ、筆者も手を合わせてきた。

 趣味だったゴルフコースのフェアウェイとグリーンをイメージして作られた祭壇はスプレーマムやトルコキキョウなど約8000本の花で彩られた。その中央に飾られた遺影は2020年6月、東映の社長に就任した際に広報用に撮影したもので、穏やかな中にも「やってやる」感がにじみ出ていた。

 「スケバン刑事」「京都迷宮案内」「科捜研の女」「大奥」などプロデューサーとしてヒットドラマを連発した手塚氏に別れを告げるため、吉永小百合(78)や豊川悦司(61)ら映画やテレビ関係者はじめ約1700人が参列した。

 「科捜研の女」の沢口靖子(58)や「スケバン刑事」の斉藤由貴(56)ら東宝の看板女優や、「刑事7人」の東山紀之(56)、「特捜9」の井ノ原快彦(47)のジャニーズ勢の姿も見えた。そんな中、ひときわ長く遺影に手を合わせていたのが俳優の小林稔侍(82)だった。

 2020年10月に開催された京都国際映画祭で三船敏郎賞を受賞した小林を祝う会を設けたのが手塚氏をはじめとする東映チーム。この義理堅さが俳優たちに好かれるゆえんでもある。

 翌11月に銀座の中華店で祝宴が開かれ、小林も思わぬプレゼントに感無量の様子。その時に撮った手塚氏との2ショットがお別れの会の展示コーナーに飾られていた。

 それを見て、改めて感激した小林。「この写真が欲しい」と東映のスタッフにお願いしていた。「科捜研の女」などで一緒に仕事をした日々がよみがえったのかも知れない。それがここに紹介する1枚だ。

 スタッフに愛され、俳優に愛された手塚氏は病に倒れ、62歳という若さで逝った。2022年度に320億円という東映史上最高の興行収入を樹立した矢先の死。当人が一番悔しかっただろう。そんな思いもこみ上げて小林の合掌も長くなった。

 千葉県立木更津高校時代に映画研究部に所属し、8ミリカメラで撮影&監督した30分の自主作品が会場のスクリーンに映し出された。手塚氏の原点。背筋を伸ばして拝見した。合掌。

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