「silent」に込めた脚本家のこだわり「恋愛だけは描かない」 “当て馬”という存在への不快感

[ 2022年12月18日 12:38 ]

主人公の青羽紬を演じる川口春奈(フジテレビ提供)
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 多くの芸能人がファンを公言するなど、もはや“社会現象”と言っていいほどの大反響が続いているフジテレビの連続ドラマ「silent」(木曜後10・00)を手がける、脚本家の生方美久氏(29)、演出の風間太樹氏(31)、プロデューサーの村瀬健氏(49)が18日、同局の「ボクらの時代」(日曜前7・00)にそろって出演。ドラマ「silent」の作り方について語り合った。

 2021年の「フジテレビヤングシナリオ大賞」で大賞を受賞した生方氏は本作が連続ドラマデビュー。同賞の審査員も務めていた村瀬氏が講評から「これが大賞です」と書いてしまったほど、ほれ込み、何も企画が決まってない段階で「一緒にやろう」と声をかけたことで同作はスタートしたという。

 自身の脚本の書き方について「私は映像をイメージして書くタイプなので、全部のシーンとかセリフを決めているわけじゃなくて、自分の中のカット割りとかもあるんですよ、書いている段階で。それがもちろん、自分の頭の中にあるものと同じわけじゃないし、その違いを逆に楽しめていて、なるほど、ここから撮るんだとか、ここは引きなんだって。(出来上がりを見て)私は楽しかったので」と話した。

 そんな生方氏にとって「silent」の脚本でこだわったのは「“恋愛だけ”は描かない」というところだという。「ラブストーリー自体がぶっちゃけ興味なかったんです。ラブストーリーが書きたいって思うことはなくて、11話かけて描くなら、メイン2人の恋愛だけってもったいない。(さらに)自分がラブストーリーっていうのを見ていて、一番不快というか、嫌だなと思うのが、当て馬というポジションの扱いというか、恋が実らない子を当て馬だとか、かわいそうな子みたいな、ありがちなキャラクター、反発して結果身を引くっていう子にはしないっていうのは一番こだわりました」と明かした。

 恋愛ドラマを描くと、どうしても「恋愛をいっぱいしてきた人」だと思われることも多い。生方氏は「嫌ですよね、そう思われるの。実際全然…」と苦笑。「恋愛に関する部分は実体験は全くなくて、キャラクターの中のパーソナリティーとかは実態とか、自分の考えが入っている。この子が全部自分というわけじゃなくて、ちょっとずつ要素は自分の部分も入れていて、(川口春奈演じる)紬の3話の頭の回想、パワハラ、セクハラのああいう感じとか、(目黒蓮演じる)想の“すみません”“すみません”って自分が悪くないけど謝っちゃうとかも、昔、自分が違う仕事をしていた時に“すみません”が口癖になっちゃってて、先輩に“すみません、って言い続けていると、本当に自分が悪いって、思うようになっちゃうからやめな”って言われて、結構ハッしたんですよね。そういうのは入れてます」と話した。

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