演出家・平田オリザ氏、セクハラ告発された谷賢一氏に退団措置「大筋の告発は事実であったと思われます」

[ 2022年12月16日 11:26 ]

平田オリザ氏ツイッターアカウント

 劇団「青年団」を主宰する演出家の平田オリザ氏(57)が、16日までに自身のツイッターを更新。同劇団の演出部に所属する演出家の谷賢一氏が、女優からハラスメントを告訴された件について、同氏に対し退団措置を講じたと発表した。

 谷氏をめぐっては、女優・大内彩加が15日深夜に同氏のハラスメントを告白。谷氏は否定し、裁判で争う構えを示した。この告発を受け、16日から公開予定だった、谷氏が演出を手掛けた舞台「家を壊す-他、短編-」が初日前夜に急きょ公演中止を発表。出演を予定していた女優・南果歩は「演出の谷賢一さんを提訴した方の並々ならぬ心情を思うと、これは致し方ない判断だと思います」とツイートするなど理解を求めていた。

 この件を受け「青年団」主宰の平田氏は「このたび、劇団青年団演出部に所属する谷賢一氏がハラスメント案件で東京地方裁判所に告訴されました」と報告し「詳細は今後、司法の場で明らかになっていくかと思いますが、他の関係者の証言もあることから大筋の告発は事実であったと思われます。念のため、告発文と谷氏の反論も併記します」と、双方の主張を併記。その上で「劇団の内規に照らして、谷氏は青年団演出部を退団することとなりました。法律上は推定無罪の原則もありますが、被害に遭われた方の心情をより重く考え、また告発文にはなく訴状には記されている情報も得ていることから、今回の措置を執るに至りました」と対応の理由を明かした。

 青年団はこれまでもハラスメントには厳しい対応を続けていたとし「特に谷氏は福島県の復興にかかわる仕事もしていることから、これまでもハラスメントについてはくれぐれも注意するように、折に触れて申し渡してきました。結果として、それが効力を発揮していなかったことは忸怩(じくじ)たる思いです」とつづった。「現在、青年団は、これまでのハラスメントに関する内規をさらに精査して、新しいガイドラインと、それに対応するための劇団内組織を準備しているところでした。本件を受け、その準備を加速し、劇団内外でのハラスメントの予防、抑止にいっそう努めていきたいと考えています」とも記した。

 「谷氏は法廷で争うとのことですが、今後、青年団としては、被害に遭った方たちのお役に立てることがあれば支援をしていきたいと考えています」とも表明した。

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