ハラミちゃん 4月から異例の全国ツアー開始 夜公演は「セットリストなし」

[ 2022年3月22日 05:30 ]

ポーズを決めるハラミちゃん(撮影・島崎 忠彦)
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 ピアニストでユーチューバーのハラミちゃん(年齢非公表)が異色の全国ツアーを来月2日にスタートさせる。7月まで14都市で開催し、いずれも昼夜2回の計28公演。異例の試みなのが、観客のリクエストだけに応えていくという「セットリスト(曲目表)なし」の夜公演だ。

 「冒険みたいでドキドキしています。どんなリクエストが来るか分からない。ハラハラ、ハラミちゃんの醍醐味(だいごみ)だと思います」

 昼公演は「表メニュー」と題し、新アルバム「ハラミ定食2~新メニュー揃いました!~」(23日発売)の収録曲を中心に披露。これに対し「裏メニュー」と題した夜公演は、リクエストに即興で応えるライブをメインにトークやクイズコーナーも設ける。全国ツアーは20年12月~21年2月に開催して以来2度目で「いろんな土地でピアノの音色を届けたい」と本番を心待ちにしている。

 その場で求めに応えるスタイルは活動の基本だ。公共施設などに設置されている誰でも演奏可能なストリートピアノで弾き、その様子をYouTubeで公開しているハラミちゃん。現場では聴衆のリクエストに応じ、知らない曲は、その場でスマートフォンで検索して流し聴いて覚え、4歳から習い始めた腕と絶対音感で弾きこなしている。

 「ストリートピアノを弾いていると、生きているなと思うんです。すぐに音を奏でて人の心とキャッチボールできる。そこに取りつかれています」

 これまでには、女児に「亡くなっちゃったお母さんが好きだった曲を弾いてください」など、切実な思いを打ち明けられることもあった。こうしたことも含め、ストリートピアノ活動は何が起きるか分からない、ライブを超える「ガチライブ」で、今回のツアーでも実現させようと企画した。一方で、ツアー中には「14都市分のストリートピアノが置かれている場所を巡りたい」と、一期一会の出会いに貪欲だ。

 1月には、女性ピアニストとして15年ぶりに日本武道館で公演した。YouTubeでは演歌からアニソンまで幅広く演奏してきただけに、客層もまさに老若男女に及ぶ。今回のツアー会場でも同様の客入りが見込まれており「昭和から令和の歌までどんなリクエストにも応じたい」と本領を発揮する意気込みだ。

 ≪AKBなどアイドル好き≫プライベートでは、AKB48やハロー!プロジェクトなど女子アイドルが好きという一面も。オーディション番組にもハマっていて、特に好きなのが「PRODUCE 101 JAPAN」。幼少期から学生時までコンクールの目標をこなすピアノ漬けの日々で、エンタメに触れる時間がなかったといい「大人になって鎖国が開かれた感じ。いろんなコンテンツがありすぎて困っています」と苦笑いした。

 ≪「クイーン」の名曲も収録≫アルバム「ハラミ定食2~新メニュー揃いました!~」は家族全員が好きで「音楽のルーツ」とも言う英バンド「クイーン」の「ボヘミアン・ラプソディ」を収録した。日本人アーティストによる同曲のインストゥルメンタルカバーが商品化されるのは初めて。「収録ギリギリのタイミングで(クイーン側から)許可をいただいた。念願かないました」と喜んだ。(飯尾 史彦)

 ◇ハラミちゃん 本名、生年月日、出身地、いずれも非公表。音大を卒業後、会社員に。体調を崩し4カ月ほど休職中の19年6月、会社の先輩で現マネジャーに誘われ、都庁のピアノでRADWIMPSの「前前前世」を演奏。この動画をアップしたYouTubeの再生回数が一気に30万回を突破し、同年秋に再びピアノの道に。20年7月にメジャーデビュー。芸名は好物の肉の部位「ハラミ」から取った。

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2022年3月22日のニュース