藤井七段、最年少タイトル挑戦逃す…「最後は間違えてしまった」 王将戦挑戦者決定L

[ 2019年11月20日 05:30 ]

第69期大阪王将杯王将戦 挑戦者決定L ( 2019年11月19日    東京・渋谷 将棋会館 )

<王将戦挑戦者決定L 最終戦>広瀬竜王(右手前)に敗れた藤井七段は悔しげに盤上の駒を見つめる(撮影・西川 祐介)
Photo By スポニチ

 将棋の第69期大阪王将杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグは19日、東京都渋谷区の将棋会館で最終日を迎え、4勝1敗同士でトップの広瀬章人竜王(32)と藤井聡太七段(17)が対局し、126手で広瀬が勝った。渡辺明王将(35)への初挑戦を決め、藤井は屋敷伸之九段(47)の持つタイトル挑戦史上最年少記録(17歳10カ月)の更新をあと一歩で逃した。

 顔にはほのかに赤みが残っていた。「(終盤は)局面を複雑にして難しくした。でも最後は間違えてしまったと思います」。藤井は悔しさをかみ殺しながら言葉を絞り出した。

 先手番で矢倉を選択。だが広瀬に手際よくさばかれ、形勢は中盤からリードを奪われた。そのまま寄り切られる絶体絶命の大ピンチで、一瞬の緩手を見逃さず反撃を開始。大逆転勝利の可能性をほぼ手中にしたものの、107手目[先]3二金と王手が途絶えたところで竜王の大逆襲を浴びる。「[後]7七桂成をうっかりしていた」。無念の敗退だ。

 勝てばタイトル挑戦最年少記録を約30年ぶりに塗り替えるはずだった。日頃からそれを意識しないと淡々とした言動を貫き、この日も「結果としては実力だと思います」と潔かった。

 今後は例年6月上旬開幕の棋聖戦に記録挑戦ラストチャンスが残る。そして来期の王将戦は予選免除でリーグからのスタートだ。「実力を高めて、一局一局、頑張ります」。自らを鼓舞するようにうなずいた。(我満 晴朗)

続きを表示

2019年11月20日のニュース