中山忍、トラウマになった俳優の名を告白「NG出し過ぎ。ギャラからフィルム代ひくぞと」

[ 2018年6月29日 20:13 ]

女優の中山忍
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 女優の中山忍(45)が29日放送のTBS系「爆報!THE フライデー」(金曜後7・00)に出演。過去のドラマ共演がトラウマとなった俳優の名を明かした。

 “2時間ドラマの新女王”と称されるほどの名女優になった中山だが、アイドル時代の1992年に出演したドラマ「刑事貴族3」で衝撃の経験をする。連ドラ出演5作目、アイドルとして活動していた中山は“役者のしきたり”を全く知らなかった。ある日、時間どおりにスタジオに入ると、先輩役者たちが既に勢ぞろい。すると、ある大物俳優から「先輩より先に入っているのが当たり前だろ!」ときつい口調で怒られ、初対面にも関わらず1時間説教を受けたという。

 その後も「現場で台詞を覚えるなんてどうなんだ?」と女優としての意識の低さを痛烈に批判され、現場でNGを連発すると鬼の形相でにらまれることも。当時はデジタル撮影ではなく、フィルムでの撮影が主流。NGを連発する中山に大物俳優から「お前NG出し過ぎだぞ。ギャラからフィルム代ひくぞ!」と叱責が。中山は怒られて萎縮し、NGをさらに連発する悪循環に陥り、涙を流す日々。「追い込まれましたよね…苦しかったです」と当時を振り返った。

 中山のトラウマとなった俳優の名は地井武男さん。演技に厳しいと業界でも評判だったが、地井さんのある演技を見て、考えが変わったという。地井さんは2001年に愛妻をがんで失う。会見では涙を見せず気丈に振る舞い、仕事もこなし、周囲にも明るく振る舞っていた。そんな地井さんがドラマ「北の国から」で、妻が余命宣告を受ける男性を演じる。自身の経験や悲しみを役に重ね合わせたかのような“魂の演技”を披露。中山は「本当に衝撃的でした。自身の傷ついた部分をあそこまで見せないといけないのかなと。それを逃げずに見せた地井さんは凄い。人生を懸けている。凄い役者さんだなと思いました」と感銘を受け、女優業への覚悟を決めたと語った。

 2011年、ドラマで地井さんと共演する機会が訪れる。「怒られたらどうしようという思いはあった。いつも以上にドキドキしてました」と緊張しつつも、逃げずに役と向き合った。ドラマのクライマックスは犯人役の中山が、刑事役の地井さんに涙ながらに懺悔(ざんげ)する場面。NGなしで本番を終えると、地井さんから「忍、いい役者になったな」と初めての褒め言葉が…。役者として認めたもらえた瞬間だった。

 撮影終了後に再共演を約束したが、地井さんは12年6月に享年70歳で死去。共演したドラマが遺作になった。中山は「地井さんのことを思ったら泣いちゃうんですけど、ちゃんとありがとうございますと言えてなかったなって…。今もし会えたら“地井さんのこと大好きでした”と伝えたい」と思いを打ち明けた。

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2018年6月29日のニュース