月9「ラヴソング」“等身大”の福山雅治が新境地 新しい恋物語に

[ 2016年4月11日 11:00 ]

「ラヴソング」第1話の1場面(左から福山雅治、藤原さくら)(C)フジテレビ

 歌手で俳優の福山雅治(47)が3年ぶりにフジテレビの看板枠「月9」の主演を務める「ラヴソング」(月曜後9・00)は11日、30分拡大でスタートする。

 夢破れた元プロミュージシャンと、対人関係が苦手な女性が出会い、音楽を通じて心を通わす感動のヒューマン&ラブストーリー。「ガリレオ」で演じた天才物理学者・湯川学とは異なる“等身大”の主人公は、福山の新境地として注目されそうだ。「電車男」「ガリレオ」「HERO」などを手掛けたヒットメーカー・鈴木吉弘プロデューサーは「新しいラブストーリーを作りたい」とエポックメーキングな作品への意欲。「久々に連ドラらしい作品になる」と反響次第でラストが変更される可能性も示唆し、企画意図を語った。

 福山の月9主演は2013年4月クールの「ガリレオ」第2シーズン以来。同年6月に映画第2弾「真夏の方程式」が公開されたところで、福山や西谷弘監督と「次も何か一緒にやれたらいいよね」と再タッグを願う中、福山が等身大の物語を希望。西谷監督も賛同し、鈴木氏は「話を重ねるうちに、月9でラブストーリーと、自然に割と早めに企画が固まってきたという感じですね」と振り返った。

 近年、テレビドラマでラブストーリーは“当てる”のは難しい。「確かに、医者ものや刑事ものをやる選択肢があったのかもしれないですが、等身大のものをやると腹をくくったので。その中で、何をやれば視聴者の皆さまに一番届くか、という考え方をしました」。福山ファンの大人が楽しめるラブストーリーで、なおかつ演技未経験の歌手・藤原さくら(20)が演じるヒロインの目を通した物語になり、大人と若者、両世代に訴求。そこに“勝算”を見いだす。

 主人公・神代広平とヒロイン・佐野さくらの年齢差は「ヒロインとの関わり方で『育てる』『守る』というテーマの人間関係を作りたいと考えました。対等な関係で、お互いを成長させ合うという話もあると思いますが、今回の主人公は『誰かを育てる』「誰かを守る』という役どころ。だとしたら、ヒロインは若い人がいい。単純なラブにはなりにくい年齢差なので、それはそれで、おもしろさがあると思います」と意図を説明した。

 脚本は14年に「隣のレジの梅木さん」で第26回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞した倉光泰子氏が担当。ヒロイン同様、大抜擢となった。「ラブストーリーは女性の目線が非常に大事。さらに、月曜9時の視聴者層に近い感覚を持った人の感性が必要」と女性ライターの中から選んだ。

 「人の心の中身を書くのがうまく、キャラクターのとらえ方が皮肉っぽい。意地悪な面とか、ちょっとした悪意とか、そういうのを凄くうまく拾う作家さんです。今回は、ベタなボーイ・ミーツ・ガールじゃない話になるので、倉光さんが作るキャラクターはおもしろいですね。お互いを近寄らせない感じと、同時に近寄りたい感じの矛盾するところが非常におもしろく描かれていると思います」

 福山自身も4日の制作発表で「音楽にフラれ続け、あきらめ切れない、しみったれた中年だと思ったら、実像がつかめてきた」と役柄への手応えを明かした。鈴木氏も「今回の福山さんは決してカッコよくない。弱いところが満載な男です。特殊なキャラクターを演じた『ガリレオ』とは違うし、ラジオの“ザ・兄貴”とも違う。たぶん今まであまり見たことがない福山雅治になっているんじゃないかと思います」と新境地に期待した。

 「今回は、とても連ドラらしい連ドラになる気がしています。想定しているゴール(ラスト)はありますが、オリジナル脚本なので、必ずしもそこに行かなくてもいいかなと。これから福山さんと藤原さんがどういう世界観を作っていくかによって、フレキシブルに変えることができるので、柔軟に構えようと思っています。視聴者の皆さんの反応も踏まえつつ、動いていきたい。収録も半分ドキュメントというか。福山さんが実際にレコーディングで藤原さんを指導する関係性が、役柄にシンクロすることも。藤原さくらという人間のドキュメンタリーに近いものを見ているようなドラマになっていくんだと思います。そういう意味で言うと、今後どうなるか分からない不安定さもありますが、連ドラはもともとそういうものだったと思います。視聴者の皆さんの反応を見ながら、変わっていける。今回は久々にそういうことにチャレンジしているので、不安定な部分も一緒に楽しんでいただける作品になるんじゃないかと思います」

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