【世にも奇妙な物語 映画監督編】本広克行監督&妻夫木聡主演が◎

[ 2015年11月28日 10:00 ]

「世にも奇妙な物語 映画監督編」の「幸せを運ぶ眼鏡」の1場面(C)フジテレビ

 フジテレビはオムニバスドラマ「世にも奇妙な物語」の放送25周年を記念し、21日、28日と2週連続で特別編をオンエア。28日は「映画監督編」(後9・00)を放送する。

 「バツ」は「永遠の0」などの山崎貴監督(51)が担当、阿部サダヲ(45)が主演。銀行員の初野(阿部)は自分の額にバツ印があることを発見する。しかし、周囲の人間には見えていないようだ。ある日、初野は額にバツ印がある別の男・邑田(ムロツヨシ)を目撃する。バツ印は一体、何を意味するのか…。

 「幸せを運ぶ眼鏡」は「踊る大捜査線」などの本広克行氏(50)が担当、妻夫木聡(34)が主演。10年近く彼女がいない会社員・涼太(妻夫木)の元にある日、特殊な機能を持つ眼鏡が届く。その眼鏡はかけるだけで、必要な情報を他人に悟られることなく入手可能に。涼太はまず彼女探しに眼鏡を利用する…。

 「箱」は「アンフェア」などの佐藤嗣麻子監督(51)が担当、竹内結子(35)が主演。薬科大学の研究員・朔子(竹内)は研究室で何者かに襲われ、気が付くと、棺桶のような狭い箱の中に閉じ込められている。足元に見つけたスマートフォンが頼みの綱。110番をかけるが、捜索は遅々として進まない…。

 「事故物件」は「リング」などの中田秀夫監督(54)が担当、中谷美紀(39)が主演。由希子(中谷)は娘・朱理(新井美羽)と新しい部屋に引っ越したばかり。しかし、そこはいわくつきの事故物件らしい。深夜0時すぎ、由希子の携帯電話に不審な着信。背後には女の気配を感じる…。

 「嘘が生まれた日」は「呪怨」などの清水崇監督(43)が担当、満島真之介(26)が主演。ここは嘘が一切ない世界。人々の営みすべてにおいて皆が本音をさらけだしているため、争いが絶えない。ある日、正太郎(満島)はふとしたことをきっかけに、事実とは違うこと(=嘘)を言える、ということに気付く…。

 甲乙付けがたく、好みもあるが「幸せを運ぶ眼鏡」が特にいい。一見、草食系男子のサクセスラブストーリーが展開される中で「現代社会における幸せとは何か」にテーマを落とし込み、ドラマの社会性を高める。本広監督は「プロデューサーに言われたことより、さらにどんでん返しを加えました」と意外な結末を用意した。

 人気劇団「ヨーロッパ企画」の代表作「サマータイムマシン・ブルース」(2005年)を映画化するなど、演劇通の本広監督らしく「青年団」「サンプル」「城山羊の会」などの小劇団で活躍する古舘寛治(47)古屋隆太(43)の起用が憎い。

 「バツ」「事故物件」はホラー・サスペンスに包みながら、ヒューマンドラマの要素も。「箱」は閉所恐怖を描き、ワンシチュエーションスリラー映画「リミット」(10年、スペイン)を見るようだ。「嘘が生まれた日」は設定がシュールで、思わず笑った。

 1990年4月、日本初のオムニバスドラマとしてスタート。92年12月まで木曜午後8時枠で放送された。春、秋、年末年始などで特別編のオンエアを続け、今年4月11日の放送までで492作品。今回の2週連続特別編で全作品数は500を超え、502本となる。

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