「キャプ翼」高橋陽一氏 イラストに夢託す 本田は日向、長友は石崎だ

[ 2014年6月14日 08:55 ]

「キャプテン翼展」のオープニングセレモニーに出席し、翼くんの等身大フィギュアと並び立った原作者の高橋陽一氏

 人気サッカー漫画「キャプテン翼」の原作者・高橋陽一氏(53)が13日、東京・上野の森美術館で「ボールはともだち。キャプテン翼展」の開幕イベントに出席した。W杯日本代表のエースでMF香川真司(25)について「ついに(漫画の主人公)翼が出てきた」と笑顔。翼がオーバーヘッドキックする巨大イラストを背に「こんなシュートを決めてほしい」とエールを送った。

 高橋氏は、日本代表に翼に似た選手はいるか?と聞かれ「香川選手がドルトムント(独ブンデスリーガ)で活躍し始めた頃、翼が出てきたと思った」と笑顔を見せた。

 「キャプテン翼」の主人公・大空翼はゴールを奪い、パスも出せる攻撃的MF。スピードあるドリブルも似ていると指摘。1981年(昭56)の連載開始から33年。イングランドの名門マンチェスターUに在籍する香川に、ついに現れた“リアル翼”と期待をかける。「マンチェスターUで、あまり試合に出られなかった分もW杯でうっぷんを晴らしてほしい」と激励した。

 国内にプロリーグもなく、日本のW杯本大会出場経験すらなかった連載開始当初、作品中で小学生だった翼は「W杯優勝が夢」と公言し、中学卒業後、プロになるためブラジルへ――。そんな夢のようなストーリーがサッカーブームを巻き起こし、競技人口の大幅増に貢献したと言われる。

 作品の後を追うように93年にJリーグが発足、代表が98年にW杯初出場を果たすなど日本のサッカー界は急成長。多くのJリーガーが影響を受けており、アニメは海外でも放送され、スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(30)ら熱狂的ファンが多い。シリーズは現在も連載中で、翼はU―23代表キャプテンとして五輪優勝を目指している。

 高橋氏は、FW本田圭佑(28)を翼のライバルで、力強い体とシュートが武器の日向小次郎に例えた。サイドバック長友佑都(27)は、運動量とガッツが持ち味のDF石崎了だという。日本代表選手を、次々と翼のキャラクターに重ね合わせた。

 自身が描き、翼がオーバーヘッドキックを決める巨大イラスト(縦3メートル×横2・2メートル)を背に「日本の優勝を願い、日本選手がこういうシュートを決めてくれたら、と思って描いた」と力を込めた。まだ漫画でも描いていない夢を、日本代表に託した。

 展覧会は7月6日まで。250点以上の原画や、物語の舞台になった架空の町「南葛市」のジオラマが展示されている。

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