宇津井さんに家族としてお別れ 「渡鬼」長山、中田…

[ 2014年5月2日 05:30 ]

バラやカーネーションなど白い花に囲まれた宇津井健さんの祭壇

 3月14日に慢性呼吸不全のため死去した俳優の宇津井健さん(享年82)のお別れの会が1日、都内のホテルで開かれた。父親役を演じ、最後の出演作となったTBSドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の共演者ら約1000人が出席。娘役だった長山藍子(72)らからは、宇津井さんが撮影現場で最後までダンディーを貫いた秘話が明かされた。

 バラやコチョウランなど真っ白な花で覆われた祭壇。遺影の宇津井さんは出席者にほほ笑みかけるようで、“理想の父親”と称されたイメージ通り。多くの出席者が涙をこらえながら献花した。

 「渡鬼」で5人の娘を演じた長山、中田喜子(60)、野村真美(49)、藤田朋子(48)は、家族としてお別れ。“遺族”のように、出席者に献花用のバラを手渡して、おじぎをした。長山は「最初から最後までひたむきに生きて、魂が美しい方。本当に良いお父さんでした。お父さん、ありがとう」と目を潤ませた。

 最後の仕事となったのが、昨年放送された渡鬼の特番の収録。闘病中だった宇津井さんは、酸素ボンベをつけてスタジオに来た。「長い収録に耐えられないかもしれないけど、よろしくお願いします」と、共演者に深々と頭を下げたという。

 本番には酸素を吸入するチューブを鼻から外して臨んだ。藤田は「せりふもしっかり入ってて、私たちの方が助けられた。オシャレなので、酸素ボンベを背負って歩くのは恥ずかしいと、ビオラのケースに入れていた」と、ダンディーだった父親の姿を振り返り、声を詰まらせた。

 宇津井さんは亡くなる当日に内縁の女性と再婚。野村は「ケジメをつけられて、思いやりがある。その決断がお父さんらしいと思った」。会には女性も参列し、喪主を務めた宇津井さんの長男、隆さん(51)とともに最前列に座った。

 もう1人の娘である泉ピン子(66)は仕事の都合で欠席。代わりに手紙を寄せ、再婚に反対だったことを明かした。「いつも“再婚しないで。じじいのところに来る女は金目当て”と言ったけど、やっぱり寂しかったのかな。でも、再婚相手の方はお父さんに十分に尽くし、私が危惧した財産目当ての人ではなかったと聞きました」とつづった。「仕事の鬼のお父さん。心の中にはいつもお父さんがいます」と締めくくった。

 ◇主な出席者 三浦友和、中村玉緒、水谷豊、長山藍子、中田喜子、野村真美、藤田朋子、船越英一郎、藤巻潤、萬田久子、木梨憲武、山田邦子、村田雄浩、秋野暢子、石黒賢、音無美紀子、笹野高史、小林綾子、藤原紀香、羽田美智子、篠原涼子、松村雄基、細川茂樹、永井大、東野幸治、藤井フミヤ、要潤、純名里沙、徳重聡、加藤あい、小柳ゆき、小池徹平、井上和香、篠田麻里子、小倉智昭、宮澤ミシェル、小倉隆史、福西崇史、石井ふく子、秋元康、ドン小西、森喜朗 =順不同、敬称略

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