不適切テロップで東海テレビ「ぴーかんテレビ」休止

[ 2011年8月6日 06:00 ]

 東海テレビ(名古屋市)が4日放送のローカル番組「ぴーかんテレビ」で「怪しいお米セシウムさん」などと不適切なテロップを表示した問題で、同局は5日、「テロップは外部スタッフの担当者がふざけ心で作成した」と説明。同日の放送を休止し、約3分間の特別枠でおわびした。また、同局の祖父江伸二常務らが岩手県庁などを訪れ、謝罪した。

 問題のテロップは、視聴者プレゼントの「岩手県産ひとめぼれ」の当選者発表で「怪しいお米セシウムさん」「汚染されたお米セシウムさん」と表示されたもの。リハーサル用の仮テロップが操作ミスで放送され、作成したコンピューターグラフィックス(CG)制作会社の50代の男性スタッフは同局に「ふざけ心でやってしまった」と話しているという。

 おわびは番組開始時間の午前9時55分から2分半、流された。

 番組でメーン司会を担当する福島智之アナウンサーが1人で登場し「ふざけ心では済まされない、大変不謹慎なことを表現したことに大きな問題がありました」などと3回頭を下げた。その後の放送は番組終了時間の午前11時半までアニメ「トムとジェリー テイルズ」に差し替えられた。

 同局は午後6時半すぎにも約20分間の特別番組を放送し、経緯などを説明。それによると、テロップを流すタイミングを管理するタイムキーパーが番組前日の3日と当日の4日、不適切な表現について男性スタッフに訂正を求めたが、男性スタッフは放置したという。

 本来はタイムキーパーがCG画面を印刷し複数の番組スタッフでチェックするはずが、タイムキーパーは男性スタッフにテロップの訂正を依頼しただけで印刷しなかった。同局は「ごく一部のスタッフしか知らなかったことが大きな問題」としている。

 浅野碩也社長は番組冒頭で「岩手、福島の方々などにご迷惑をお掛けしました。視聴者の皆さまにも不快な思いをさせてしまいました」と陳謝した。

 同局総務部は関係者の処分について「さらに社内調査を進めた上で決めたい」と説明。浅野社長を本部長とする対策本部を設置し、原因を究明して後日、検証番組を放送する予定。当面の間、同番組の放送は休止する。同局には5日午後11時までに1019件の苦情の電話があったという。

 ≪片山総務相「心ない言葉」≫片山善博総務相はこの日の閣議後の記者会見で「心ない言葉が出てくるのは大変遺憾に思う。十分な注意を自主的にしてほしい」と述べ、表現に大きな問題があったという見方を示した。民放連の広瀬道貞会長(テレビ朝日顧問)は「放送への信頼を損ねる誠に残念なこと」として、東海テレビに原因究明を申し入れた。

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2011年8月6日のニュース