[ 2010年3月28日 06:00 ]

多彩なプログラムの無料公演も多数行われる

 LFJは毎年、作曲家あるいはジャンル別にテーマを設けて、プログラムが組まれます。第1回の2005年はベートーヴェン、翌年の06年はモーツァルトという具合に。各公演の所要時間は約45分間。通常のコンサートの3分の1くらいの時間というのも気軽に楽しめるポイントです。そうしたコンサートは東京国際フォーラム内の9会場で朝から晩まで同時並行して催されます。総公演数は約300(うち有料170、無料130)。うれしいことに、いずれもチケット料金は700円~3000円と低価格に設定されています。

キッズ・プログラムや無料イベントもあります。この型破りと言うべきクラシック音楽の公演スタイルは熱心なファンだけではなく普段、演奏会に足を運ばない人々にも門戸を開きました。臆することなく一流アーティストの演奏を聴いてみたいというクラシック音楽のビギナー。家族には退屈そうだからと敬遠されて、いつも1人で演奏会に行っているちょっぴり寂しいお父さま。子どもに生の楽器のサウンドを体験させてみたいお母さん…。LFJはさまざまな人たちの期待を包み込んでくれる、クラシックのお祭りなのです。
 今年の来場者は延べ70万人と予測されています。マルタンは言います。「LFJに訪れた人たちの数パーセントは、その後クラシックの演奏会に行ってみようと思ってくれるでしょう。また、東京まで足を延ばさないけれど、自分の街で開かれるなら行ってみようと思ってくれる人がいるはず。その人が自分の街でLFJに行って感動を得られたなら、東京で行われるコンサートにも足を運んでくれるでしょう」。
 東京だけでなく一昨年からの金沢(2010年4月29日~5月5日)に加えて、今年からは新潟(4月30日~5月1日)、滋賀県大津市の琵琶湖(5月2日~3日)でも開催されることになりました。さながらLFJが日本列島を席巻し、潜在するクラシック音楽の需要を掘り起こしているかのようです。
 フランスと日本だけではありません。リスボン(ポルトガル)、ビルバオ(スペイン)、リオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)でも開催されています。さらに今年はショパンのメモリアル・イヤーであることから、生誕地であるポーラント・ワルシャワでも特別開催が予定されています。マルタン少年の音楽を愛する思いは、国境を超え、海を渡って果てしなく広がっています。

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2010年3月28日のニュース