[ 2010年3月28日 06:00 ]

 独創的で興味深いプロクラムとしてご紹介したいのは、「クレール・オプスキュール(暗がりのコンサート)」と題された、ピアニストたちの対決企画、さらにマルタンの一押しアーティストたちが次々に登場する80分のコンサート「ルネ・マルタンのル・ク・ド・クール」です。マルタンによると「こうしたコンサートは、私が新たに考えたものではなく、ショパンの時代に行われていた」といいます。「19世紀パリのサロンで、真っ暗にした会場でショパンがリストの曲を弾き、リストがショパンの曲を弾くというようなコンサートが行われていました。また、自分のコンサートで、オペラ歌手をゲストに招き、大好きなヘンデルのアリアを歌わせたりしていたそうです」。ピアノの音楽史上の両巨頭であるショパンとリストが弾き比べ、腕比べをしていた。どちらに軍配が挙がったのでしょうか。それを21世紀の東京で再現する、私自身、興味津々、マルタンも顔をほころばせていました。

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2010年3月28日のニュース