犬は最大の侮辱 米映画に元大統領の娘“かみついた”

[ 2009年8月9日 15:15 ]

 米国のコメディー映画の中で、エジプトの故サダト大統領にちなんだ「アンワル・サダト」と名付けられた犬が登場することに、大統領の娘ロカヤさんが「侮辱だ」と激怒、エジプトで訴訟ざたになっている。AP通信などが9日までに伝えた。

 映画はジョン・ハンバーグ監督の「40男のバージンロード」。大統領の政策を評価しているから「サダト」と名付けたのかと聞かれた犬の飼い主が「容姿が似ているから付けたんだ」と答えるシーンがある。
 イスラム教は犬を不浄とし、相手を「犬」と呼ぶのは最大の侮辱。エジプトの評論家は、ハリウッドの「イスラム蔑視」の表れと指摘している。
 配給会社はエジプトでの公開に当たり、このシーンを削除したが、ロカヤさんは公開自体に強く反発。米国の制作会社やエジプトでの公開を認めた同国情報相らを訴えた。
 サダト氏は対イスラエル和平の功績でノーベル平和賞を受賞。81年、イスラム過激派に暗殺された。ロカヤさんの弁護士は「サダト氏はアラブの歴史において傑出した人物。作品は原告に深刻な精神的苦痛を与えた」と説明。ロカヤさんは米国での訴訟も辞さない構えという。(共同)

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2009年8月9日のニュース