ユニコーン 5678日ぶり復活ステージ

[ 2009年2月28日 06:00 ]

熱唱するユニコーンのボーカル・奥田民生

 約15年ぶりに再結成したロックバンド「ユニコーン」が27日夜、神奈川・横須賀市のよこすか芸術劇場で「シークレットライブ」を行った。ファン1800人を横浜市内に集め、会場を知らせずに同劇場までバスで運んだ。93年8月に沖縄で行った解散公演以来、5678日ぶりの復活ステージとなった。

 垂れ幕にメンバー5人の影が映し出され、最新アルバム「シャンブル」の収録曲「ひまわり」でスタート。ボーカルの奥田民生(43)は「こんにちは。ユニコーンです」と飾りっけもなくあいさつしたが、会場からは盛大な「お帰り」の声。5人は照れくさそうに笑みを浮かべた。

 平均年齢44・4歳。ファンもアラフォー世代が中心となり、奥田が「曲と曲の間に長めのインターバルを取りたいと思う。身も心もおっさんですから。お客さんも…ね」と語りかける。それでも序盤からシャウトを続け、汗だくになった。

 18曲目の「大迷惑」でボルテージは最高潮に達した。総立ちのファンは体でリズムを刻み、拳を突き上げる。89年の代表曲。単身赴任が決まったサラリーマンの嘆きを描くナンバーだ。雇用情勢が厳しい現在だけに、メンバーとともに年を重ねたファンも感慨深そうな表情。「ヒゲとボイン」「すばらしい日々」など23曲の熱い“復活祭”は約3時間にわたった。

 このライブは来月5日から始まる全国ツアーに先駆け、「シャンブル」を発売したタイミングで企画。会場は告知せず、指定した日と場所に集まって、どんな場所でも移動してくれる客をインターネットなどで募った。約3万人の応募があり、限定1800人を横浜市のみなとみらいからバス40台で運んだ。

 同作はオリコンチャートで1位を記録。再結成したグループが首位を獲得するのは「かぐや姫」以来30年10カ月ぶりとなった。全国ツアーも各会場でチケットが売り切れているため、事前に会場を告知しないことで混乱を避ける狙いだった。

 奥田は「最近の若者はCDを買わないからな。だから(相対的に)1位になったんでしょ」と控えめだったが、復活フィーバーはますます勢いを増しそうだ。

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2009年2月28日のニュース