渡辺謙 昭和の名刑事・八兵衛さん演じる

[ 2008年10月6日 06:00 ]

 「帝銀事件」「吉展ちゃん誘拐殺人事件」「三億円事件」など、戦後史に残る大事件に挑んだ刑事・平塚八兵衛さんがドラマ化される。テレビ朝日が開局50周年記念ドラマスペシャル「刑事一代~平塚八兵衛の昭和事件史」として来年放送。渡辺謙(48)が主演する。

 渡辺が演じる八兵衛さんは、捜査の第一線に立ち続けた叩き上げ。茨城弁のべらんめい口調や、上司との度重なるケンカざたなど激しい性格でも知られた。小柄な鬼刑事を、背が高くイケメンの渡辺がどう演じるか注目される。

 藤本一彦プロデューサーは企画意図について「平成20年という区切りの年に、昭和をもう1度見直そうと思った」と説明。五十嵐文郎チーフプロデューサーは「八兵衛さんには日本人が忘れた職人魂やプロ意識がある。渡辺さんはハリウッドで活躍しているが、これは職人魂やプロ意識によるもの。2人に共通するものを感じた」と指摘。3年ほど前から企画書を送り、出演を依頼していた。

 制作にあたって昨年、ビートたけし(61)が主演して2夜連続放送で視聴率23・8、23・7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した「点と線」(原作松本清張)の石橋冠監督とスタッフが再集結。渡辺が同ドラマを高く評価しオファーを受けた。

 「点と線」では新大阪駅近くの車両基地に長さ約40メートル、幅約10メートルのホームを1本建設して1957年当時の東京駅を再現しており、今回も大事件に揺れた昭和をどう再現するか注目される。

 渡辺の刑事役はTBSの連続ドラマ「砂の器」以来4年ぶり。「1人の男の昭和史、昭和へのノスタルジーだけではなく、僕たちが失ったもの、捨てちゃいけなかったものは何なのかを、ドラマを通して掘り起こしていきたい」としている。

 9月に入って、茨城県にある八兵衛さんの墓前でドラマ化を報告した後、同20日に同県久慈郡でクランクイン。捜査第一課に配属となり「帝銀事件」を担当した48年から、退職する75年までが描かれる。

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2008年10月6日のニュース