【阪神2軍リポート】岡田監督絶賛「なんでもっと使わへんの」 “一芸”カーブを武器に津田が1軍へ一直線

[ 2024年5月10日 05:15 ]

阪神・津田

 【阪神2軍リポート】津田には、プロで生き残るための「一芸」がある。100キロ台の緩く、落差の大きいカーブだ。中学時代から投げ続けている同球種は、その頃から球速がほぼ変わっていない。最速152キロ直球との緩急差で打者を打ち取る投球が持ち味だ。

 「大学時代に直球の球速が伸びた時もカーブは変わらなかった。球速差はだいぶあると思う」

 アマ時代から使い慣れた“相棒”。それがプロでも「あ、これ使えるな」と感じたのは3月10日、巨人とのオープン戦(甲子園)に登板した時だ。アマ時代に縁がなく、初めて踏みしめた聖地のマウンド。緊張しつつ投じたカーブに対し相手打者が目線を上げ、腰を引く反応に手応えを感じた。百戦錬磨の岡田監督に「なんで(もっと)あの武器のカーブ使わへんの言うたよ」と言わしめたことも自信になった。

 加えて、1軍の主力投手陣もカーブで相手打者の的を外す姿にも背中を押された。「村上さん、才木さんを見ていても、緩いカーブでカウントを整えている。アマより、プロの方が有効な球なんだなと気づいたし、使えれば、真っすぐがより生きるなと」

 カーブの有無が、結果にも反映された。4月4日のウエスタン・中日戦では、その直球とカーブで組み立てる投球スタイルが崩れて打ち込まれた。3回8安打8失点。なかなか空振りが取れず、カーブ以外の変化球中心のかわす投球となった。その悔しさを糧に同30日のオリックス戦前には、バッテリーを組む捕手・藤田に「真っすぐとカーブで勝負したい」と直訴。すると6回5安打2失点と好投した。「自分の投球をすれば抑えられる。真っすぐとカーブには、もっと自信を持っていいんだなと思えた」

 失敗を乗り越え、自らの武器を再確認。津田はカーブに磨きをかけ続け、一直線に1軍の先発マウンドに向かう。(松本 航亮)

 ◇津田 淳哉(つだ・じゅんや)2001年(平13)8月27日生まれ、奈良県出身の22歳。高田商では2年秋からベンチ入りし、3年夏は奈良大会準優勝で甲子園出場なし。大経大では1年秋からリーグ戦登板し通算10勝。23年ドラフト6位で阪神入り。2軍通算5試合0勝3敗、防御率6.86。1メートル78、83キロ。右投げ右打ち。

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