栗山英樹氏 WBC準決勝サヨナラ劇は城石コーチのおかげ!?9回好機「牧原準備できてるって聞いたら…」

[ 2024年1月2日 22:01 ]

侍ジャパンメンバーと一緒に記念撮影する城石コーチ(右手前)
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 昨年3月のWBCで侍ジャパンを3大会ぶり世界一に導き、日本ハムのチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)に就任する栗山英樹氏(62)が先月31日放送のテレビ朝日「ザワつく!大晦日2023 一茂良純ちさ子の会 6時間SP」(後5・00)に出演。劇的なサヨナラ勝ちを飾ったWBC準決勝メキシコ戦を振り返り、9回無死一、二塁から“不調”の村上宗隆(23)に代打を送らなかった理由を明かした。

 番組ではWBC準決勝メキシコ戦、1点を追いかける9回無死一、二塁から当初は“不調”の村上に代打を送り、牧原大に送りバントをさせる予定だったことを紹介。栗山氏は最終的に代打を送らない選択をした理由を聞かれると「もちろんムネを信じてました。WBCが終わった時に翔平や誠也と同じようにアメリカでも高く評価されると信じてた。4番を外したくはなかった。ただ色々と考える中で、ムネの事は信じていましたけど勝たないといけないので。当然バントの選択も考える。最後の最後までバントを牧原に準備をしてもらって、決めてなかったんですよ。大事な決断ってストンと落ちる瞬間がある。そこまで待つんです。無理矢理決めると、自分の思いが入ってしまうので」と持論を展開。

 続けて「実はあの時、吉田正尚が四球になりそうだったので信頼している城石コーチに牧原準備できてるよね?って確認をしたんですよ。そしたら城石ってめちゃくちゃ熱い男なんで、いつもだったら“監督出来てます!!”みたいに強く言ってくるのに、ひとことだけ“はい”みたいな…」と、いつになく歯切れが悪かったことを告白。「もう“明らかに監督それ違います!”って言いたそうな感じってあるじゃないですか?何か言いたい事があるか聞こうと思ったんですが、僕が聞いて言うぐらいなら絶対に最初から言ってるはずなんで。彼の人柄と代打バントの確率ってどれぐらいあるだろうと考えた時に、めちゃくちゃ低いだろうなと」と、バントの選択肢が消えた理由を説明。その期待に応え村上が劇的なサヨナラ打を放ち、決勝進出を決めた。

 さらに「コレは言ってないんですけど、もし敗れた時にどうしたら日本中の人が納得するだろうかと考えたんです。こんな風に選手が一生懸命プレーしている中でバントミスで負けてはいけない。攻めて負けたいと思いがちょっとあって」と、勝利よりも納得できる負け方を考えていたことを明かした。

 また、この場面について牧原大は「(バントと)言われた時は本当に吐きそうなぐらい緊張して。なので城石コーチには行きたくないです言ったんです。マジで無理だと。ホントちょっと栗山監督に確認してきてくださいって」とお願いしていたと告白。「僕の自信のなさが監督に伝わって、(コーチから)村上で行かせるからって言われた時は多分(僕的には)勝った時よりうれしかった」と言及。

 だが、栗山氏は城石コーチからこの言葉を伝えられず。試合後に「(あの時)俺に何を言いたかったの?」としつこく迫ると、城石コーチが「言うのか迷ったんですけど牧原にバントするよって言ったら真っ青になっちゃって…」と、牧原大がかなりの重圧を感じていたことが分かったという。それでも栗山氏は「でもプロなんで覚悟を決めれば牧原だってやれた。めちゃくちゃいい選手ですから」と擁護。

 そして、この城石コーチの苦悩を見て栗山氏は「スゴいスッキリした」と言及。「選手の言葉を伝えるのにこんな命掛けで勝ちたくて迷っているコーチの姿を見た時に、こんな想いで戦うならこのチームは大丈夫と思えたんですよね」と信頼が確信へと変わった瞬間になったと明かした。

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