侍・今井達也“WBCのダルになる” オーバーエージ25歳右腕が若き代表投手陣けん引

[ 2023年11月12日 05:20 ]

侍ジャパン宮崎合宿で投球練習する今井(撮影・岸 良祐)
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 「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ」(16~19日、東京ドーム)に向け、宮崎県内で合宿を行う侍ジャパンの今井達也投手(25)が12日、大会前最後の実戦となる広島との練習試合(SOKKEN)に先発する。オーバーエージ枠で選出された右腕は、親交があるパドレス・ダルビッシュ有投手(37)が3月のWBCで担ったまとめ役を担い、若き侍投手陣を引っ張っていく。

 3月のWBCの直前合宿。チーム最年長のダルビッシュが、同じ宮崎でリーダーシップを発揮した。今井が求められるのも同じ役割。モデルのような長い手足に厚い筋肉。帽子から出た茶色の長髪が、日米通算196勝腕をほうふつさせる。

 「みんないいピッチャーなので僕も(若手に)負けないよう頑張りたい。もっとレベルアップしていきたい」

 昨年の故障リハビリ中、親交のあるダルビッシュにトレーニング法を電話で相談して肉体改造に着手。7年目の今季、初の2桁10勝につなげた。西武ではパドレスのヘアバンドとTシャツを「ダルビッシュさんがいるので」とネットで購入して練習で着用するほどだった。

 世界一奪回を果たしたWBCで、直前合宿から投手陣をまとめた憧れの右腕。今井も先導役を期待されてオーバーエージ枠で選出された。この日は12日の広島戦に向けて19球のブルペン投球練習。捕手の坂倉を「力でねじ伏せるとは、みたいな投球を体現している」と驚かせた。バッテリーを組む可能性のある石橋と古賀も交えて4人で話し込み、数日前には田口、早川、根本らと夕食会も開いた。2月の宮崎での、ダルビッシュを中心とした侍を一致団結させた食事会のようだった。

 今井は本大会でも19日の決勝のマウンドに向かう見込み。決勝での対戦を想定し韓国代表のコーチらが、きょう12日の広島戦を視察する予定だ。8日の実戦形式では打者3人を完璧に抑え、球速も150キロを超えた。吉見投手コーチは「最後のオーバーエージが彼で良かった。想像のはるかかなた。素晴らしかった。強いし切れる」と絶賛する。

 井端監督は潜在能力を高く評価し、来年11月のプレミア12を見越して選出。「もっと上を目指すピッチャー」という思いがある。「しっかりバッターと勝負できれば」と静かに闘志を燃やした今井。その姿もダルビッシュと重なった。

 ▽3月のWBCでのダルビッシュ メジャー組では唯一、2月の宮崎強化合宿に初日から合流。チーム最年長ながら積極的に野手陣とも交流を図り、佐々木朗や宮城ら若手には変化球の握り方などを伝授した。また、休養日には「宇田川さんを囲む会」など食事会も開催。先発した1次R・韓国戦は先制2ランを被弾するなど3回2失点も、イタリアとの準々決勝、米国との決勝は救援で好投。精神面で侍メンバーを支え、3大会ぶりの世界一の立役者となった。

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