能見篤史氏 オリックス・由伸は経験で傷口を最小限に抑えた

[ 2023年10月19日 05:45 ]

パCSファイナルステージ第1戦   オリックス8―5ロッテ ( 2023年10月18日    京セラD )

能見篤史氏
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 【能見篤史氏 視点】苦しみながらも、オリックスが勝ち、エース山本が勝利投手になった。ロースコアの試合という予測とは大きく違った展開にはなったが、それでも大事な初戦を落とさない。積み重ねた経験から山本は傷口を最低限に抑えることができた。

 立ち上がりには十分に注意していたことはうかがえた。相手のロッテの勢いも山本の頭にはあったはず。だが、その力みが球の質に微妙に影響した。腕は振れても、球に指がかかっていない。相手打線も直球に狙いを絞って、コンパクトにセンター返しに徹してきた。レギュラーシーズン通りにはいかないということを改めて感じたと思う。

 初回に3点、中盤にも2点を失い、今季ワースト5失点。だが、よく耐え、味方を信じて援護を引き出した。山本もチームも、まさかの立ち上がりから慌てることがなかったのが勝利につながった。状態は決していいとは言えないが、それでもズルズルと相手に流れを渡すことがないのは山本の底力だ。

 勝ったことで山本は満足はしていない。今季最多の116球という投球にも意地が見えた。アドバンテージを含め、これで2勝。次回は日本シリーズという、さらに大きな舞台になるはず。間隔は空かないし、修正はしっかりするはず。何をすべきか、山本が一番知っている。(本紙評論家)

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