野村謙二郎氏　大きかった広島・秋山の一発　CSへ向け本人には自信、チームには勇気与える

セ・リーグ   広島7ー3巨人 （ 2023年9月23日    東京D ）

野村謙二郎氏
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　【野村謙二郎　視点】何といっても一番の収穫は広島・秋山の本塁打だろう。試合展開の中で大きな追加点になったという意味合いだけではない。打ったのはフルカウントから来た内角高めの147キロ。右足故障から9月上旬に復帰後は内角球に対して、詰まった内野ゴロがほとんどで、先の阪神戦でも徹底して攻められていた。

　内角に来ることが分かっていても差し込まれてしまう。歯がゆいし、自分自身に対して腹立たしい思いだったことは想像できる。同じところを攻められ、打ち返してやろうという力みにもつながっていたと思う。やっと角度の付いた強い打球が出た。

　9月に入って離脱者が相次ぎ、苦しい状況が続いた。主力が不在の間に奮起した堂林、小園、末包は好調を維持し、菊池と上本も戻ってきて存在感を示した。CSへ向けて、着実にチーム状態が上向いていく中で生まれた秋山の本塁打は、秋山本人には自信を、チームには勇気を与えてくれる。（スポニチ本紙評論家）