中畑清氏　文句言いたい…多すぎる同地区対決

[ 2023年8月22日 05:30 ]

　【キヨシスタイル】強い。仙台育英。去年初めて「白河の関越え」をした深紅の大優勝旗が今年も…。夏連覇まであと1勝だ。

　猛暑の夏を勝ち抜くために必要なものが全てそろったチーム。エース級の投手が3人いてさ。打線は1番から9番まで切れ目がなく、機動力も使える。バランスが凄くいい。

　須江航監督のインタビューを聞いていても、選手や対戦相手に対するリスペクトの気持ちが感じられてさ。高校野球は人づくり。いい指導をされているのが分かる。こんな素晴らしいチームが宮城県にあるなんて、福島県出身の東北人として誇りに思うよ。

　そうそう、準決勝の神村学園戦で2番手として4回を1安打に抑えた湯田統真君は我が福島県矢吹町の隣、泉崎村の出身なんだってね。この村には実家のやっている中畑畜産の牛舎があるんだ。

　東北勢がベスト8に3校残った今大会。組み合わせには文句を言わせてもらいたい。同地区対戦が多すぎるのよ。

　2回戦に入った大会第7日の12日は特にひどかったな。第1試合でともに初戦の八戸学院光星（青森）とノースアジア大明桜（秋田）が当たれば、第4試合は聖光学院（福島）と仙台育英だよ。同じ日に東北の隣県対決が2試合あったんだ。

　東北勢以外にも1回戦で川之江（愛媛）と高知中央の四国、立正大淞南（島根）と広陵（広島）の中国勢対決があったりさ。

　もったいないよ。せっかくの全国大会。普段はなかなか交流できない地域の学校とやりたいよね。それなのに1回戦、2回戦でお隣同士が星のつぶし合い。

　配慮が欲しいよ。同じ地域の対戦はなるべく避ける。できれば2回戦までは絶対に当たらないようにする。3回戦からは勝ち残った学校の地域バランスを見て、できる限りご近所さんの対戦がないようにする。

　そういえば今大会、準々決勝で仙台育英と花巻東（岩手）がぶつかったのも東北人としてはもったいなかった。つぶし合いがなければ、東北勢同士の決勝ってのも…。そのくらい東北のレベルは上がってると思うよ。

　さあ決勝。仙台育英には自分たちの力を存分に発揮し、東北の歴史に新たな一ページをしるしてほしいな。（本紙評論家・中畑　清）