日本ハム・郡司 甲子園決勝「激アツ」 仙台育英から慶大進学「僕のための」一戦

[ 2023年8月22日 06:00 ]

日本ハム・郡司
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 日本ハム・郡司裕也捕手(25)が21日、23日に行われる夏の甲子園大会決勝を戦う仙台育英(宮城)と慶応(神奈川)に対し、並々ならぬ思いを明かした。母校・仙台育英では3年夏に甲子園で準優勝。さらに、慶大OBにとって、慶応は弟分のような存在の学校だ。プロ野球界で最も両校にゆかりのある男は、選手たちにエールを送るとともに、自身の力に変えることを誓った。

 まさか――。郡司にとってこれ以上ない夢のカードが、甲子園の決勝で実現する。母校・仙台育英と、ゆかりある慶応の対決が決まり「決勝の育英対慶応はちょっと期待してました」と心を躍らせた。さらに、「俺が得をする」を意味するネット用語「俺得」をもじり、なおも続けた。

 「こうなったら“郡司得”でしかない。日本で一番、僕が関わりが深いですからね。僕のための決勝みたい」

 ウキウキなのには、わけがある。仙台育英はもちろん、慶応にも愛着たっぷりの秘密は中学3年時にさかのぼる。千葉出身の郡司少年は進路を選ぶ際、最初に志したのが慶応だった。当時から丸刈りを強制しないことなどにひかれて受験したが、桜は咲かなかった。

 名門・仙台育英に進学した後は春夏で2度の甲子園に出場し、3年時の15年夏はロッテ・平沢らとともに決勝に進出。中日・小笠原を擁する東海大相模に6―10で敗れ、東北勢初優勝はならなかったが、8回まで同点という熱戦を演じた。

 慶大時代も慶応と交流試合をやったことがあり、同校の森林貴彦監督とも面識がある。仙台育英時代も毎年、慶応との練習試合を実施。ゆかりだらけの決勝に「塾高(慶応)を落ちて育英に行った人なんていない。激アツです」と繰り返す。

 仙台育英には他のプロ野球選手のOBとともに、毎年恒例である記念Tシャツを寄付した。夏の甲子園2連覇が懸かる母校には「ここまでのチームになると思っていなかった」と躍進に驚きつつ、一方で「刺激は受けてます。自分も頑張らないといけない」と気を引き締めた。
 “郡司得”の頂上決戦を前に、22日の楽天戦(エスコン)は1学年下で早大出身の早川との対戦。北の大地での「早慶戦」で活躍することが、両校へのエールとなる。(田中 健人)

 ◇郡司 裕也(ぐんじ・ゆうや)1997年(平9)12月27日生まれ、千葉県出身の25歳。仙台育英では3年時に春夏連続甲子園出場し、夏は準V。慶大では主将として、4年秋に六大学リーグ3冠王に輝いた。19年ドラフト4位で中日に入団し、今年6月に日本ハムへトレード移籍。1メートル80、89キロ。右投げ右打ち。

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