広島・栗林が“定位置”に帰ってきた 3人斬りで3カ月ぶりセーブ「めちゃめちゃ緊張した」

[ 2023年7月24日 06:01 ]

セ・リーグ   広島3―1中日 ( 2023年7月23日    マツダ )

<広・中>9回に登板した栗林は3者凡退に抑え坂倉(右)と握手を交わす(撮影・奥 調)
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 広島・栗林良吏投手(27)が23日の中日戦で“定位置”に帰ってきた。3―1の9回に登板。1回を球数9球で3者凡退に抑え、4月22日のDeNA戦以来、3カ月ぶりの8セーブ目を挙げた。チームは投打がかみ合い、20年以来の7連勝で、19年6月9日以来の貯金11。阪神が勝利したため、単独首位はお預けとなったが、新井カープの勢いは止まらない。

 深々と一礼をしてマウンドに向かう栗林に球場が沸いた。2点優勢の9回だ。4月29日の巨人戦以来、登板17試合ぶりとなるセーブ機会での登板。大声援を浴びて“定位置”へと歩みを進めた。

 「めちゃめちゃ緊張した。(声援が)本当にうれしかったですし、何とかして抑えたいなと(思っていた)。ファンの声援もあっての3者凡退だなと思いますし、いい形で終われて良かった」

 久々に最終回の独特な緊張感を味わいながらも、役割を果たした。先頭のビシエドをカーブで遊ゴロに打ち取ると、続く石川昂をフォークで空振り三振。簡単に2死を奪うと、最後は宇佐見をこの日最速タイの154キロ直球で左飛に仕留め、捕手の坂倉と抱擁を交わして喜びを分かち合った。わずか9球で打者3人を抑えてみせた。

 「ゼロで抑えられて良かったなという気持ち。試合終了の時に(みんなが)マウンドに集まってハイタッチをするのは9回の投手しか味わえない。終わってみれば(抑え)は凄くいいところだなと(感じた)」

 4月22日のDeNA戦以来、登板20試合ぶりのセーブを挙げて8セーブ目。開幕からの不調や右内転筋筋挫傷での離脱など、紆余(うよ)曲折があったからこそ、“定位置”で結果を残せたことに、安堵(あんど)と喜びが入り交じった。新井監督はこのタイミングで抑えとして起用した意図を説明した。

 「次の週から6連戦がずっと続くので。矢崎も昨日投げていますし、なるべく疲労を分散させたいという意図があって、今日は栗林にいってもらった」

 チームは7連勝中、6試合が2点差以内と、僅差の試合が続いていた。抑えの矢崎も球宴ブレーク前から5試合連続で登板していただけに、今後を見据えたマネジメントの一環で、この日は栗林が抑えに抜てきされた。

 6月上旬には左足を高く上げる投球フォームに変更し、これまでは「抑えに戻りたい」と意識していた思考も、今は「与えられたところで結果を出そう」と変えた。そして、7月は9試合、計8回1/3をわずか1失点。心身の充実が結果にも反映されている。

 もう開幕直後の姿ではない。快進撃が続くチームで、背番号20が真価を発揮している。(長谷川 凡記)

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