槙原寛己氏 階段を上ったロッテ・朗希 80球から逆算して出力調整

[ 2023年5月29日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ9-5ソフトバンク ( 2023年5月28日    ペイペイD )

<ソ・ロ>5回、甲斐を内野ゴロに抑え笑顔の佐々木朗(撮影・岡田 丈靖)
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 【槙原寛己 視点】ロッテ・佐々木朗の復帰登板は想像以上の素晴らしい出来だった。休養明けの投手は肩が軽く感じて球が上ずったり、スピードが出ても制球がばらつくことが多い。4回まで直球はほとんど160キロ台だったが、佐々木朗はフォームのバランスがいいので球速が上がっても制球にブレがない。左を並べたホークス打線相手に内外角のコースをきっちり投げ分けていた。初回、牧原大には外角に160キロ台の直球を3球続けて、最後は内角低めにワンバウンドになるフォークで空振り三振。続く近藤には160キロ台直球で2球内角を突き、3球目も内角膝元のフォークで三振。内外角を自在に使い分けるこんな投球をされたら打者はひとたまりもない。

 休養明けのため球数は80球前後が一つのメドになるところだが、4回に28球と球数がかさみ64球となってしまった。すると直球の球速を150キロ台に落とし川瀬、ガルビスを簡単に打たせて取って2死。甲斐は初球スライダーで遊ゴロ。5回をわずか4球で終わらせてしまった。80球から逆算して出力を調整し、組み立てを変えられる。また一段、階段を上ったように感じた。

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