関本賢太郎氏 今季初の和製打線不発も、阪神は夏以降に照準 敗戦での収穫は小野寺や井上の安打

[ 2023年5月11日 07:30 ]

セ・リーグ   阪神0-5ヤクルト ( 2023年5月10日    甲子園 )

4回無死、小野寺は中前打を放つ。投手石川(撮影・北條 貴史)
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 【関本賢太郎 視点】敗戦の悔しさは誰よりも強い。それでも阪神・岡田監督の中には目先の1勝に全力を傾ける頭と、常に先を見ている頭が同居している。スタメンからノイジー、ミエセスを外した打順を見て、改めてその思いを強くした。戦いながら本当の意味で強いレギュラーをそろえ、夏以降はベストオーダーで勝負をかける。この日のオーダーもその試金石だと思う。

 小野寺、井上を左投手のときにスタメンで使うチャンスを阪神は狙っていた。石川の先発時に抜てきしたのも岡田監督の意図がある。自分の打撃ができれば、決して打てない相手ではない、と組み合わせも考えた上での起用のはず。小野寺が石川から、井上が石山から1本打ったのは敗戦の中での収穫だった。そしてスタメンの名前は変えても、守備位置と打順について骨格は変えない。それが岡田監督のスタイルだ。

 勝負の夏以降に向けて監督は情報を収集している。外国人選手を含め、どういう投手を打てて、どんなタイプに自分の打撃ができないかを常に見ている。2軍戦もしっかりチェックしており、全てのことを把握したときが勝負時だと思っているはずだ。

 だが2試合連続零敗の流れは決していいものではない。3回無死一、二塁をはじめ走者を進められず、四球も取れなかった。まだ3連敗はしていない阪神。きょうは右のサイスニードに対し、機動力を含め、攻撃のサインを増やし、岡田監督は動いてくると予想する。1、2番の出塁が攻撃のキーになる。 (本紙評論家)

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