巨人・ブリンソン、8回2死逆転3ラン 「憧れ」松井秀喜氏の前で2発&サイクル超え4安打5打点

[ 2023年5月4日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人8-7ヤクルト ( 2023年5月3日    東京D )

<巨・ヤ>8回、逆転3ランを放つブリンソン(撮影・藤山 由理)
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 一振りで試合の空気を変える。日米で507本のアーチを描いた偉大な先輩もそうだった。巨人・ブリンソンが衝撃音を響かせたのは2点を追う8回2死一、二塁。木沢の155キロを左翼席上段に運んだ。決勝の4号逆転3ラン。「完璧な当たり。勝利になる一発を打ててうれしい」と笑った。

 レジェンドの言葉に奮い立った。ヤンキースのキャンプ地であるフロリダ州出身。この日に始球式を行った松井秀喜氏が海を渡った03年当時は9歳で「松井さんのプレーを米国で見ていた」と振り返る。試合前のミーティングでは、その松井氏がチームを「レベルアップと巨人への忠誠心という2本柱をしっかり考え、頑張ってください」と激励。「憧れていた選手に会えて、実際にアドバイスをもらった」と感謝を胸に試合に臨んだ。

 「米国でも自分のスタイルで長打を多く打ったイメージ」という松井氏のように、変わらぬ“おかわり気質”を発揮した。5回は本拠地初本塁打となる3号2ラン。メジャー通算28本塁打ながら4度も1試合2発を記録した男が、来日初の1試合2発に3回の二塁打、7回の内野安打と合わせ“サイクル超え”の4安打5打点だ。リーグトップタイの16打点とし「日本投手は球種が多く全部に対応できない。プランを持って向かうことが大事」と胸を張る。

 3回1死の二塁走者では平凡な中飛でアウトカウントを間違えて帰塁できずに併殺。先月6日のDeNA戦と同じ凡ミスを犯したが、バットで汚名を返上して19年以来4年ぶりとなる最大6点差からの逆転劇に貢献した。

 試合前、大型ビジョンでヤクルト・高津(現監督)から松井氏が放った東京ドームでのプロ1号の映像が流れた。グラウンドの一番近くで見ていたのがブリンソン。松井氏と同じ中堅を守る新助っ人が、今季最多となる4万716人の観衆を魅了した。(小野寺 大)

 ≪74年ぶりGT同日6点差以上逆転≫巨人の6点差以上の逆転勝利は19年8月9日ヤクルト戦で0―7→10―9と7点差をひっくり返して以来4年ぶり。なお、この日は阪神も中日戦で6点差逆転勝ち。同日に2試合が6点差以上の逆転勝利は1リーグ時代の49年11月21日に阪急が大映戦(0―6→○17―8)、阪神が東急戦(0―6→○10―7)とそれぞれ記録して以来74年ぶり2度目。2リーグ制後では初めてになった。

 ▼巨人・原監督(8番で起用したブリンソンについて)相手チームは嫌だと思いますよ。(松井氏の激励は)歴代のジャイアンツのOBの人の中でも非常に優れたOBの一人ですから、選手、私たちも含めていい激励になったと思います。

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