DeNA新外国人バウアー イースタンL来日初登板で156キロ出た!横須賀フィーバー超満員

[ 2023年4月17日 05:30 ]

イースタン・リーグ   DeNA0-2西武 ( 2023年4月16日    横須賀 )

<D・西>力投するバウアー(撮影・篠原岳夫)
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 バウアー祭りだ!DeNAの新外国人トレバー・バウアー投手(32)が16日、イースタン・リーグ西武戦で来日初登板。直球は最速156キロを計測し、4回53球を投げ4安打無失点で6奪三振と噂通りの実力を見せつけた。サイ・ヤング賞にも輝いた超大物右腕をひと目見ようと、横須賀スタジアムには2680人のファンが集結。同球場で日本ハム時代の大谷翔平(現エンゼルス)が投げた時と同様の大フィーバーとなった。

 大人1200円のチケットを買い求める長蛇の列。最後の一人がようやく手にした時、4回裏が終わっていた。すでにバウアーは降板。球場関係者は「見られなかったファンの方も多かったのでは…」と複雑な表情だった。

 立ち見客も含め内野席がぎっしりと埋まり、観客2680人の前で超大物助っ人がベールを脱いだ。最もスタンドを沸かせたのは3回。1死一、三塁でサイ・ヤング賞右腕が本気になる。「どのくらいの出力を出せるのか確認するいいチャンスだった」。蛭間、高木に6球連続で最速156キロの直球勝負。ファウルにさえさせず、6球全て空振りで2者連続の3球三振に仕留めた。これが本場米国の超一流投手。どよめきと大歓声で横須賀スタジアムが揺れた。

 「全体的に凄く良かった。一番は真っすぐ。今日は100%に近いものが出せた」

 ドメスティックバイオレンス(DV)の禁止規定違反で出場停止処分を受け、ドジャース時代の21年6月28日のジャイアンツ戦以来の実戦。その姿をひと目見ようとお祭り騒ぎになった。午前6時前には20人以上が集まり、11時のチケット発売時に1193人が列を作った。購入まで時間がかかり、勇姿が見られなかったファンが多数。15年5月8日には日本ハム時代の大谷が同球場で登板したが、球場関係者は「その時と同じような盛り上がりです」と驚きを隠せなかった。

 球団公式YouTubeの中継では最大同時接続数が普段の15倍以上の7万7322人。この日の横浜スタジアムの観客数3万3135人の倍以上だ。「応援してくれた皆さんに感謝している。自分自身も楽しめた」。投球では習得中の秘球スプリットチェンジも惜しみなく披露。初回2死二塁では陽川から三振を奪い、元DeNAの筒香に教わったという刀で相手を斬ってさやに収めるポーズでファンを喜ばせた。

 今後は「球数、イニングを伸ばす作業が必要になる。スケジュールを組んで準備していく」とした。映像を確認した三浦監督も「素晴らしいボールを投げていた」とし、1軍デビューへ「もう少しお待ちください」とニヤリと笑った。待ち切れない。その時は、この日の横須賀以上のフィーバーが巻き起こるに違いない。 (鈴木 勝巳)

 ◇トレバー・バウアー 1991年1月17日生まれ、米カリフォルニア州出身の32歳。カリフォルニア大ロサンゼルス校から11年ドラフト1巡目(全体3番目)でダイヤモンドバックス入り。12年オフにインディアンスに移籍し、15年から5年連続2桁勝利。レッズ時代の20年にサイ・ヤング賞を受賞した。21年にドジャースに移籍も、今年1月に契約解除。メジャー通算83勝69敗1セーブ、防御率3.79。1メートル85、92キロ。右投げ右打ち。

 ▽過去のサイ・ヤング賞投手の日本球界入り 62年に中日でプレーしたドン・ニューカム(中日での登録名はニューク)の例がある。ニューカムは56年にドジャースで同賞の初代受賞者となりメジャー通算153勝を挙げた右腕。ただ、61年はメジャー登板がなく、中日には打力を買われて外野手として入団した。日本では81試合で打率.262、12本塁打、43打点。投手としては1試合(4イニング)の登板にとどまった。

 ≪1000円でいいの?ファンも圧倒≫球場を埋めたファンも大喜びだった。バウアーのユニホーム姿で、友人と3人で応援に来た横浜市の30代男性は「凄かった。所作の一つ一つに引きつけられた」。ファンクラブ会員で200円引きの1000円で入場できたが「1000円でこんな投球が見られていいの?という感じ。安いです」と声を弾ませた。茅ケ崎市の20代女性は「かなり並びました。すっごいですね!圧倒されました。早く1軍で見たいです」と笑顔だった。

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