阪神・青柳、3・31開幕に照準「今年は投げたい」 世界一は侍に託し“アレ”超え日本一へ駆け上がる

[ 2023年1月18日 07:00 ]

キャッチボールで汗を流す青柳(撮影・椎名 航)
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 「アレ」超えで日本一だ。阪神の青柳晃洋投手(29)が17日、静岡県沼津市の県営愛鷹(あしたか)球場で後輩の村上、岡留らとの合同自主トレを公開した。3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの代表メンバーから漏れたことを明かした右腕は、改めて開幕投手を目指すことを宣言。現在は、失速せずシーズンを完走すべくハードなトレーニングを課しているエースは、日本シリーズでの登板も熱望した。

 青柳の目は、完全に阪神モード…いや“日本一モード”へ切り替わっていた。

 「昨日(球団から)電話があった。(侍ジャパンから)外れたと言うので。(今後は阪神の)開幕の方へ照準を合わせていく」

 目指していた侍ジャパンの代表メンバーからは漏れた。有事の際の予備メンバーには名を連ねているが、視線はもう「3・31」のDeNA戦(京セラドーム)の開幕マウンド。順調なら揺るがぬ大本命。昨年は新型コロナウイルス感染で逃した大役へ「チームに最初に勝ちをもたらすのは勢いに乗れる。昨年投げられなくて残念だった。今年は投げたい。意欲はずっと持ってる」と熱い思いを一切、隠さなかった。

 昨年は2年連続の最多勝など投手3冠を獲得。背負う期待、求められる数字はキャリアで未体験の領域まで高まる。「自分の成績との戦い。数字が出る部分は全部キャリアハイを目指したいと思ってる」。達成すればセ・リーグでは史上初となる3年連続最多勝のタイトルなど日本一の投手に上り詰める1年にするつもりだ。

 取り組みにも意図が見える。8日からスタートした自主トレでは連日、ハードなトレーニングを敢行。この日は、左翼ポールから右翼ポールへ移動しながらスタンドの約1500段の階段を駆け上がって下半身をいじめた直後にグラウンドに下りてメディシンボール投げを実施した。

 「疲れた時でも同じ動きができるようにやっている。先発だと7、8、9回投げても落ちない」。昨年も8月からの2カ月は2勝に止まり、9月の月間防御率は4・70と疲労のたまる時期の失速が課題と言える。完全無欠の投手となるために「1試合でも多く勝てるように鍛えている」と意気込む。

 岡田監督の下、選手たちが目指すのは優勝を意味する“アレ”で統一されている。その上で、背番号17は日本シリーズという頂上決戦での躍動も思い描く。「経験したことがない所は行ってみたい。(日本シリーズで)投げ勝つイメージもしています」。拠点としている県営愛鷹球場からは残念ながら富士山は目にできないが青柳の視界は良好。“アレ”を超える“日本一”の文字がはっきりと見えている。(遠藤 礼)

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2023年1月18日のニュース