日本ハム・ドラ1矢沢「大谷ロード」から三刀流の道へ!まずは開幕スタメンつかみ取る

[ 2023年1月18日 06:00 ]

キャッチボールする矢沢(撮影・村上 大輔)
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 未開拓の「矢沢ロード」を切り開く。日本ハムのドラフト1位・矢沢宏太投手(22=日体大)が新人合同自主トレ第3クール初日の17日、千葉・鎌ケ谷で外野守備と屋内でのフリー打撃を初めて行った。守備は軽快にこなし、打っては快音を連発。二刀流の先駆者で、球団OBの大谷翔平(28=現エンゼルス)と同じ右翼で1年目の開幕スタメンをつかみ取り、その先には大谷もできなかった外野手、投手、DHの「三刀流」を確立させる。

 ファーストスイングでの対応力に、ドラフト1位のポテンシャルが詰まっていた。プロ入り後初のフリー打撃。昨季までの現役生活では最速153キロの本格派右腕として鳴らした長谷川打撃投手の初球を、中堅方向へはじき返してみせた。

 「1球目、ちょろっと見て速っ!と思ってパッと打ちました。1球目に関してはいい反応だった」

 決して手加減されたわけではない。その証拠に、ドラフト5位の奈良間、育成3位の山口の初球はファウルで差し込まれていた。いきなり快音を響かせた矢沢の非凡さに、長谷川打撃投手は「1球目からコンタクトしてきたのはさすが」と、感嘆しきりだった。

 1メートル73、71キロと小柄ながら、左腕投手として150キロ超の直球を投げ、野手としては長打力と非凡なバットコントロールも併せ持つ。長谷川打撃投手は「パッと印象に浮かんだのが、ソフトバンクの今宮かな。小柄だけどパンチ力がある」と、2桁本塁打を4度記録し、昨季は打率・296をマークした巧打者を重ねた。

 新庄監督は「僕としては(まずは)野手の方で」と話しており、目指すは13年の大谷と同じ「右翼」での開幕スタメンデビューだ。この日から外野の守備練習もスタートし、50メートル5秒台の俊足を生かした軽快なステップを披露した。万波、今川、浅間、江越らと争う右翼は絶対的なレギュラーが不在。「周りと比べられるが、自分は自分。しっかりしたプレーを続ければ、試合に出られる確率は高くなる」と、矢沢は冷静に分析した。

 大谷は3年目以降、投手とDHの二刀流が中心となったが、同様の形にとどまるつもりはない。3月30日の開幕・楽天戦(エスコンフィールド北海道)で先発する加藤貴の右翼からのリリーフに加え、次戦以降の先発登板も狙う。「守備でも打撃でも走ることでも、2月1日(の紅白戦)からアピールできる準備をしたい」。「大谷ロード」からのデビューの先には、新たな可能性が広がっている。(清藤 駿太)

 ≪大谷は日本ハム時代外野で62試合出場≫エンゼルス・大谷は日本ハム時代のプロ1年目の13年に54試合、14年に8試合、計62試合に外野手として出場した。エンゼルス移籍後は、4年目の21年に7年ぶりにメジャーで初めて外野手として7試合に出場。先発投手として登板後、外野に回ったのが4度、DHから外野に入ったのが1度、代打出場から守備に就いたのが2度だった。

 うち右翼が6試合で、左翼が1試合。メジャーでは通算8回1/3の外野出場の中で、これまで一度も打球が飛んでくるケースがなく、守備機会もない。21年のシーズン終了後には、外野でスタメン出場する可能性について「一つ選択肢が増える。できるに越したことはない」と前向きに話していたが、昨季の出場機会はなかった。

 ≪昨季両リーグ最多の16人が右翼守備に≫昨年日本ハムで右翼の守備に就いたのは16人。オリックスの14人を抑え両リーグ最多人数だった。個人別では万波が最多の81試合に出場。次いで浅間28試合、木村23試合と続いた。万波は右翼手として守備イニングがリーグ3位の608回1/3。失策は一度だけで、走者を送球で刺す補殺が同ポジションではリーグ2位の5度と強肩ぶりを発揮した。

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