阪神ドラ3・桐敷、実戦デビューで快投3人斬り 矢野監督「あれぐらいやると思ってる」 開幕ローテ候補だ

[ 2022年2月21日 05:30 ]

練習試合   阪神3-1中日 ※特別ルール ( 2022年2月20日    沖縄・宜野座 )

<練習試合 神・中>2番手で登板し1回を無失点に抑える好投を見せた桐敷(撮影・大森 寛明)
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 阪神のドラフト3位・桐敷拓馬投手(22=新潟医療福祉大)が沖縄・宜野座キャンプ第5クール2日目の20日、中日との練習試合で1回無失点の快デビューを飾った。初実戦で最速149キロを計測し、多彩な変化球も武器に打者3人をわずか11球で料理。次回以降はイニングを伸ばし、開幕ローテーション争いへの参戦が決まった。同じく実戦デビューした同2位・鈴木勇斗投手(21=創価大)は制球などに課題を残した。

 新人らしからぬ落ち着きと、良質なパフォーマンスで背番号47が躍動した。沖縄とは思えない寒風に震えるスタンドのファンに熱い投球を届けたのは桐敷だ。初の対外試合で完璧な投球を披露した。

 「課題である左打者のインコースに投げることは意識してやれた。初めにしては良かったかな、と」

 セットポジションから1球ごとに、ぐっと表情を引き締め、攻めの姿勢を体現した。3回から2番手で登板し、先頭の岡林を内角への141キロ直球で詰まらせて中飛。続く京田には初球の内角高め146キロのツーシームでファウルさせ、2球目はスライダーでカウントを取って追い込んだ。最後は外角低めへ逃げていくスライダーで空振り三振。1軍で実績十分の打者を3球で料理すると、最後は山下を球場表示では148キロ、テレビ中継では最速を計測した149キロのツーシームで二ゴロに打ち取った。

 上位から3人並んだ左打者を危なげなく封じ込める快投。「(京田には)初球にインコースを投げられたから良かったかなと思う。それができたから、あのスライダーが投げられたと思うので、そこは良かった」と価値ある11球を振り返った。打者5人を無安打に封じた15日のシート打撃登板に続く好投で、当然ながら周囲の評価も上がる。

 矢野監督は「あれぐらいやると思ってるから、びっくりもしない。期待通りに投げるってことが凄い。先発でも中継ぎでもいけると思う」と起用法の幅を広げて目を細めた。次回登板について金村投手コーチは「イニング伸ばすから。(先発陣に)入れる力はあるから」と明言。青柳、秋山、伊藤将、西勇、ガンケルまで確定し、残り1枠しかない開幕ローテーション争いへの本格参戦が濃厚だ。

 「イニング数が増えていくにつれて、ランナーも出る。そういう場面で打ち取る、三振を取るとか、場面に応じたピッチングが重要。意識してやっていきたい」。地に足が着いている22歳に躍進の予感が漂う。(遠藤 礼)

 ▼阪神福原投手コーチ 落ち着いて、自分のボールをしっかり投げていた。カウントが悪くても困ることがなさそうな感じ。(次回以降は)長いイニングを見たい。

<セ・リーグ各球団スコアラーの評価>

 ▼広島岩本貴裕スコアラー 球自体の強さがあり、変化球もストライク取れている。このままいくと間違いなく(開幕に)残ると思う。いいところで投げてくるんじゃないかな。
 ▼巨人志田宗大スコアラー 落ち着いて投げられているし、いい投球。どこでも使えそうな雰囲気がある。
 ▼中日金子丈スコアラー ブルペンで見ている時の印象のまま実戦でも投げられている。
 ▼ヤクルト石堂克利スコアラー 前の実戦形式と一緒で、落ち着いて、どんな球種でもカウントを取れるし、勝負もできるので、ある程度計算はできるんじゃないですかね。

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