阪神・中野 逆転日本一へ「攻める」 CS、日本シリーズへ「勢いをつくるためにも初戦の入り方が大事」

[ 2021年10月31日 05:30 ]

<阪神練習>フリー打撃を行う中野(撮影・成瀬 徹)
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 30盗塁で1年目での盗塁王獲得を確実視される阪神・中野拓夢内野手(25)が逆転日本一に向け「攻めていく」と倍返しを宣言した。11月6日に開幕する巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージに向けて甲子園球場では左投手対策へ打ちこみ。短期決戦での起爆剤として持ち前のスピードと勝負強さを発揮すべく、準備を加速させた。

 優勝を逃した悔しさは忘れていない。CSを勝ち抜いた先にある日本シリーズでの“倍返し”に向け、中野が準備を始めた。

 「日本一を狙うチャンスはまだある。短期決戦は勢いが大事だと思うので、その勢いをつくるためにも、初戦の入り方が大事になってくる。個人としてもチームとしても、いい準備をして臨みたい」

 練習再開2日目も準備を重ねる姿があった。テーマは左投手対策。フリー打撃では右投手に対して23スイングをこなした後、左投手を相手に連続で48スイングの打ちこみ。意識はセンター中心に置き、外角の変化球は逆方向へ打ち返し、内角はしっかり振り切る。レギュラーシーズンは右腕に対して打率・284で、左は同・253。メルセデス、高橋、救援の中川らをイメージし、1球で仕留める意識を高めていた。

 1年目から規定打席を満たし、127安打で打率・273。盗塁成功率93・8%(失敗2回)で30盗塁を積み重ねた。01年赤星憲広(39盗塁)、19年近本(36盗塁)に続く球団史上3人目の新人盗塁王は確実。佐藤輝、伊藤将、DeNA・牧、広島・栗林らと競う新人王の行方が注目される中、タイトルホルダーは中野だけの情勢だ。
 「自己採点ですか?90点くらいはあってもいいかな」

 ベストプレーに挙げたのは、5月13日の中日戦(甲子園)での遊撃守備だ。「先頭のビシエド選手の打球を逆シングルで捕ってアウトにしたのが一番良かった」。三遊間への打球に追いつき、そのままジャンピングスロー。令和の牛若丸の神髄を見せた瞬間だった。

 いい記憶の裏には「もう朝になったのか…」と悔しさで眠れない夜があった。セ最多の17失策。チャンスでの凡打も忘れてはいない。「挑戦しなければ、失敗はない」と言い聞かせ、ひとつのミスが自分を成長させると思い、進んできた。だからこそ、CSでも「攻めていく気持ちを常に持つ」ことにこだわる。攻走守の集大成で頂点へ。気持ちは熱い。(鈴木 光)

 ▼阪神・矢野監督 攻、走、守と想定以上にやってくれた。課題もまだまだあるけど全体的にはその課題もクリアしつつある。まだ伸びしろもある。2番を経験したことも、これからのいい経験になるはず。

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2021年10月31日のニュース