西武・栗山2000安打を“恩師”と“盟友”が祝福 凄い練習量と強い気持ち クリっぽく続けて

[ 2021年9月5日 05:30 ]

西武・栗山 通算2000安打達成

15年、練習中に笑顔で話す栗山(左)と田辺氏
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 入団1年目に2軍打撃コーチとして栗山巧を指導した西武・田辺徳雄3軍統括コーチ(55)と、1学年上で西武時代に親交が深かった巨人・中島宏之内野手(39)が祝福のメッセージをスポニチ本紙に寄せた。

 【西武・田辺徳雄コーチ】栗山が入団した年に私も2軍コーチとして西武に復帰した。「ホームラン1本打つんなら、ヒット3本打て」と指導した。同期にホームランバッターの中村がいたのと、選球眼が良くてストライク、ボールの見極めが際立って素晴らしかったから。出塁率を上げることが1軍への近道だと思った。

 バッティングには粗さがあった。体が強いけれど不器用。上半身に頼った力みがあり、振り遅れたり、差し込まれる。強引にいき過ぎることも目立った。徹底的に振り込ませたのは、へばってくると自然と下半身を使わないといけなくなるから。左打ちの栗山と右打ちの中村を前に立たせて、右手と左手で交互にティー打撃のボールを上げたりした。

 練習量は過去一、二を争うほど。戸田や浦和の2軍戦から所沢の寮に戻ると当然のごとく「お願いします」と誰よりも早く来る。栗山の練習に自分がついていった感じだった。午後5時くらいから夕食まで、1時間半は室内で打ち込み。「広角に打てないと3割は打てない」と反対方向に打つ練習を徹底的にやった。

 こいつは一流になると思ったのは2軍で凡退した時の悔しがり方。目の色が違った。ベンチの椅子にヘルメットをゴツンと叩きつけることもあった。その悔しさを練習にぶつける。2年目に逆方向にヒットを打って「なんとなく押し込むということが分かった気がします」と言われた時はうれしかった。

 1軍監督時代は主に1、2番で起用した。バントで1点ではなく、2、3点を一気に狙う戦い方に最適だった。それと、できる範囲内で打席を増やせたらと。若い時から「西武一筋、叩き上げで2000本打ったら格好いいよな」と話していたからね。

 毎年オフに1度、2人で食事をする。三多摩地区の焼き肉店。野球の話を聞いていると、やっぱり考え方がしっかりしている。今も変わらず黙々とマシンを打ってるな。40歳までやるんか?45くらいまでやる気持ちだろう?おめでとう。(埼玉西武ライオンズ3軍統括コーチ)

 【巨人・中島宏之】クリは仲のいい友達です。2軍時代から試合後の特打、特守も常に一緒。ほんまに長いこと一緒に練習しました。1年目から体がゴツくて、逆方向に打球を飛ばしていました。今でも治療院で一緒になると野球の話になる。研究熱心で、ストイック。「僕は右投げ左打ちだから、右右とか左左の人の感覚が出てこない。そういうふうに体を使いたいんだけど、上手に使えない部分もある」とか。いまだに研究している感じがあります。

 1学年下で、同じ兵庫出身。寮生活の時は食事に行くのもいつも一緒でした。プライベートは明るく、ロッカーでいたずらをしたり。でも、野球は負けず嫌いで「なにくそ」という感じ。内角を攻められても我慢する。田辺さん(現3軍統括コーチ)に「投手に向かっていけ」と言われ続けていたので、似ている部分はあるかもしれません。僕の次のキャプテン。ずっと協力しながらやっていた。

 若い時から練習が凄いし、気持ちも強い。クリっぽく、そのまま続けてくれたら素敵やと思います。2000本と言えば、宮本慎也さん(12年当時ヤクルト)が達成されたときの思い出があります。2人でお世話になっていたので「みんなと違う花にしたいな」と、パチンコ店にあるような派手な花を一緒に贈ったんです。クリにも変わった花を贈りたいな。おめでとう。(読売巨人軍内野手)

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