阪神・青柳 「侍対決」大野雄に投げ勝ち6勝目 矢野監督も最敬礼「間違いなく自信になる」

[ 2021年6月23日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー1中日 ( 2021年6月22日    バンテリンD )

<中・神(9)> 6回のピンチをしのぎ、笑顔でベンチに戻る青柳(撮影・大森 寛明)
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 阪神は22日、中日戦に2―1で競り勝って連敗を2で止めた。先発した青柳晃洋投手(27)が、東京五輪で金メダルを狙う侍ジャパンに選出後初めてのマウンドで7回4安打1失点(自責0)と快投し、今季6勝目。中日のエース・大野雄との“侍対決”も制する価値ある1勝でチームに再び勢いを与えた。

 期する思い、重圧、周囲の期待…すべてを力に変えた。静かに燃えていた青柳の“サムライソウル”。負けられない一戦で、持てる力を出し尽くした。

 「(侍に選出されても)僕自身やることは変わらないので、先発として1イニングでも多く勝ちに貢献できるようにという気持ちで」

 16日に東京五輪を戦う侍ジャパンの内定選手に決定してから、初めて迎えたマウンド。「虎の青柳」に「侍」の肩書も加わった背番号50は意気に感じたように敵地で躍動した。3回まで無安打。4回こそ味方失策絡みで1点を失うも、追い上げは最後まで許さなかった。

 6回は先頭の大野雄に左前打を浴びるなど1死一、三塁の危機を迎えても動じない。高橋周を139キロのツーシームで遊ゴロ併殺に仕留め、同点を阻止。「梅野さんにマウンドに来てもらって、何から入るかどうやって攻めるかの話をしっかりできたので良かった」とプラン通りに奪った会心のアウトだった。

 投げ合ったのはバンテリンドームで阪神相手に7連勝中だった大野雄。東京五輪では共闘する“侍対決”としても注目された一戦で7回まで1失点に封じ投げ勝った。「大野さんは素晴らしいピッチャーなので、ロースコア試合になるのは分かっていましたし、そういうピッチャーに勝てて、すごい良かった」

 頼もしい姿を見せてくれた右腕に、矢野監督も「内容のあるピッチングができている。そういうところ(大野との投げ合い)で勝つっていうのは間違いなく自信になる。いい意味でジャパンに選ばれたっていうことをプラスにして」と質も伴った91球を称賛した。

 登板前の時点でリーグ1位だった防御率も1・96まで良化し、チームトップの6勝とまさにエース級の働き。チームの連敗を2で止めた価値ある投球は、大舞台での活躍も想像させる。被安打はすべて単打で、ゴロアウト14、外野に飛んだ打球もわずか4。長打を許さず、打球を上げさせない。東京五輪で稲葉監督も期待するパフォーマンスを体現した。

 「僕自身経験したことない侍ジャパンですけど、タイガースを背負ってしっかり投げていきたいと思います」。背負うものが増えるほど輝きは増していく。(遠藤 礼)

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